特養ホーム「いいもり」が車両の貸し出し 高齢者や子育て世代の支援

提供車両を使用し、買い物の付き添い支援をする助け合い隊メンバー(右)=諫早市飯盛町

 デイサービス利用者用の送迎車を、地域に住む高齢者の困り事や子育て世代の支援に役立ててもらおうと、長崎県諫早市飯盛町の特別養護老人ホーム「特養いいもり」(千葉隆平施設長)は、同町のボランティアグループ「地域共生助け合い隊」(藤本八重子代表)に車両の貸し出しを始めた。
 「助け合い隊」は2018年、近所同士が可能な範囲で助け合う民間組織として発足。現在、60代女性を中心に113人が支援者として登録。ごみ出しや草刈り、話し相手などの有償ボランティア(1時間500円)に取り組んでいる。
 通院や買い物の付き添いなど、車を必要とする活動には支援者の自家用車を使用しているが「事故が不安」「遠方に行く時などのガソリン代の負担が大きい」など、支援の在り方が課題になっていた。
 前施設長の古川良子さんも助け合い隊の一員だったことから昨年度末、地域貢献活動の一環として車両提供を決定。送迎用軽自動車2台の空き時間を活用し、支援者の負担軽減を目指す。
 自動車保険やガソリン代などは同施設が負担。千葉施設長は「気軽に車を利用し、困り事をなくしてもらえれば。助け合いの連携を強化することで、行政の手が届きにくいところにも支援を充実させたい」と話した。

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