大村市シルバー人材センター事業好調 会員数、契約額 増加傾向

シルバー世代の知識や経験を生かし、さまざまな業務に取り組む大村市シルバー人材センターのメンバー=同市西三城町

 長崎県大村市内のシルバー世代が持つ豊富な知識や経験を生かし、幅広い業務を担う市シルバー人材センター(西三城町)の事業が好調だ。昨年度は新型コロナ禍の影響を受けたものの、会員数や業務の契約額は近年増加傾向。実績が認められ今年6月には全国表彰も受けた。西正人理事長は「会員同士の交流も盛んで、高齢者が第2の人生の楽しみを見つける場にもなっている」と話す。
 同センターは1988年に設立。会員は60歳以上のシルバー世代で、現在の最高齢は91歳。草刈りや家事援助、ふすまや障子の張り替えといった作業をはじめ、公共施設の管理なども請け負っている。
 会員数(年度末現在)は2014年度の609人から年々増加し、19年度は過去最高の757人を記録。新型コロナ禍の影響で20年度は731人となったが、減少・横ばいの傾向にある長崎、佐世保、諫早と比べて増加傾向を維持しているという。入会理由として「生きがい・社会参加」「時間的な余裕」を挙げる人が多かった。
 業務の契約額も増加しており、20年度は約3億4200万円。特にスーパーや介護施設、保育園など民間事業所で働く「派遣契約」は、14年度の約1800万円から20年度は約9600万円と大きく伸びた。同センターは「職員が民間の事業所を回るなどしてPRするとともに、会員の特長を生かした業務のコーディネートが奏功しているのでは」と分析する。

大村市シルバー人材センターの会員数・契約額の推移

 同センターでは会員の交流事業も活発で、高齢者同士の仲間作りにも貢献。ボウリングや登山、書道などの同好会活動をはじめ、コロナ禍前には旅行なども企画されていたという。
 このほか、会員がインストラクターを務めるパソコン・スマホ教室を独自事業として市内外で開催。3月からは市内各地区でごみ拾いや草刈りのボランティア活動にも取り組んでいる。
 こうした実績が高く評価され、6月、九州で唯一、全国シルバー人材センター事業協会(東京)から表彰を受けた。現在、同センター施設は手狭なため、会員が集まり、情報交換できるスペースをいかに確保するかが今後の課題。西理事長は「最近の高齢者は元気な人が多い。コロナ禍への不安はあるが、会員や売り上げの増加に向け、これまで以上に取り組みたい」と話した。
 業務依頼や入会の問い合わせは同センター(電0957.52.5225)。

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