松竹新喜劇の若手3人が名門屋号「曽我廼家」を継承 渋谷天外「頑張ってくれると思います」

前列左から藤山扇治郎、-渋谷天外、後列左から曾我廼家桃太郎、曾我廼家一蝶、曾我廼家いろは 

松竹新喜劇座員の植栗芳樹(39)、桑野藍香(29)、竹本真之(35)が4日、大阪市内で行われた大阪松竹座11月公演「松竹新喜劇 錦秋公演」(11月6日~21日、大阪松竹座)の製作発表会見に出席し、日本の喜劇の祖と呼ばれる〝曾我廼家(そがのや)〟の名跡を継承すると発表した。

植栗は曾我廼家一蝶、桑野は曾我廼家いろは、竹本は曾我廼家桃太郎を名乗る。秋公演初日にお披露目される。

目指す役者像について、一蝶を名乗る植栗は「私たち世代は藤山扇次郎君が中心になると思う。その時に最強の2番手でいたい」。いろはを名乗る桑野は「酒井光子さんのような、ドシッとした役をできるようになりたい」。桃太郎を名乗る竹本は「普通に生きていても面白い瞬間がある。(舞台に)出てきて『あの人、何もしてないのになんか笑えるな』といわれる役者になりたいですね」と意気込んだ。

元は歌舞伎俳優だった曾我廼家五郎、十郎によって、大阪・道頓堀で日本で初めて「喜劇」と銘打った公演が行われたのが1904年のこと。その流れをくみ、喜劇の伝統を守り続ける松竹新喜劇の代表を務める渋谷天外(66)は「渋谷、藤山の名前はあるけど、曾我廼家の名前は僕と同年代ばかり。いかがなものかと5年前に会社に話した」と継承に至る経緯を明かした。

曾我廼家を名乗る役者の誕生は82年以来で39年ぶりとなる。渋谷は「われわれのルーツをどこかしらに匂わしておかないといけないと思った。頑張ってくれると思います」と3人に期待した。

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