朝鮮選手団のユニホームはすべて国産 赤、青、白の国旗色をベースに

国際スポーツ大会で朝鮮選手団が身にまとっている赤、青、白の国旗色をベースとした制服は、実は、朝鮮国内で製作されている。

2014年の仁川アジア大会の卓球混合ダブルスで金メダルを獲得したキム・ヒョクポン(右)、キム・ジョン選手(C)朝鮮新報

近年、国際スポーツ大会における各国のユニホームは、老舗のスポーツメーカーが手掛けたものが主流だ。例えばFIFAワールドカップ(W杯)前回大会(2018年、ロシア)では、32カ国中25カ国がアディダス、ナイキ、プーマのいずれかのユニホームを着用している。

このような趨勢の中でも、あらゆる生産部門で国産化を掲げる朝鮮では、国家代表選手の制服、ユニホームも自らの原料、デザインに基づいて自力で生産している。

手掛けているのは万景台スポーツウェア製作所(平壌市東大院区域)で、国家代表選手団が着用するユニホームを製作する目的で2014年に設立された。メーカー名は「タンサン」。

2014年仁川アジア大会で初めて着用され、2017年世界ウェイトリフティング選手、2018年平昌五輪、2019年世界レスリング選手権など多くの国際大会で着用された。

こんな逸話もある。

世界選手権制覇(2019年)、アジア選手権3回制覇(13、18、19年)の成績を誇る朝鮮女子レスリングの重鎮、パク・ヨンミ選手(平壌体育団)は、国際大会で優勝し表彰台に立った際に、他国の選手から朝鮮のユニホームはどの国でつくられたものかと聞かれたことがある。パク選手がわが国のタンサンというメーカーだと答えると、その選手は「朝鮮チームはユニホームにも自尊心が表れているようだ」と話したという┅。

万景台スポーツウェア製作所のホ・ボムスン所長(C)朝鮮新報

万景台スポーツウェア製作所のホ・ボムスン所長(40)は、「アスリートたちにとってスポーツウェアは単に運動用の服というだけでなく、モチベーションを高め、試合で十分に実力を発揮できるよう手助けする重要なツールの一つだ」と話す。

設立当初は選手団の制服のみを手掛けたが、2015年以降は、韓徳銖平壌軽工業大学の研究者らとともに研究と改良を重ねながら試合用と練習着をユニホームも製作している。

国家代表選手らが着用したことで万景台スポーツウェア製作所のスポーツウェアは国内で瞬く間に話題となり、現在は国家代表選手、アスリートだけでなく、アマチュアや学生たちの間でも高い人気を博している。

© 株式会社朝鮮新報社