金武町、基地内の立ち入り調査要請へ 水道水からPFAS

 【金武】沖縄県金武町の水道水や地下水源、河川から発がん性が指摘される有機フッ素化合物のPFAS(ピーファス)が国の暫定指針値(PFOS・PFOAの合計が1リットル当たり50ナノグラム)を超える値で検出された問題で、仲間一町長は4日、「原因究明のため、米軍キャンプ・ハンセンへの立ち入り調査を防衛省に求めていきたい」と述べた。仲間町長は上京も視野に、町単独での要請を検討している。本紙などの取材に答えた。

 仲間町長は「1日も早く地下水を使わず安全な水道水を提供できるよう進めていきたい」と語った。県企業局水で全ての水道水を供給できるようハード面の予算確保も防衛省に求め、従来の計画を前倒しで進める考えだ。町民の血液検査については「県と足並みをそろえて検討する」とした。

 一方、県企業局の担当者は金武町への水供給増加について「町に将来需要を含めて(供給希望を)検討してもらっている。供給能力や他自治体などの需要も含めて検討していきたい」と語った。

 町は昨年12月、県企業局への水供給増加要請の段階で水道用水でのPFOS、PFOAの検出を同局に伝えていた。同局担当者は「報告時には水道水の含有量が国の暫定指針値以下ということだった。(公表は)町の責任で行うべきと判断した」と説明した。

 
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