チップ・ガナッシ、2022年の体制拡大を近く決定か。LMDhも睨み、ブルデー、バンバーらが候補に/IMSA

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiクラスに参戦しているチップ・ガナッシ・レーシング(CGR)は、2022年の選手権で2台のキャデラックDPi-V.Rを走らせる取り組みの最終決定に近づいている模様だ。何名かの“スター”ドライバーが、ステアリングを握るとみられる。

 Sportscar365が入手した情報によれば、今季はNTTインディカー・シリーズにフル参戦したセバスチャン・ブルデー、元ポルシェのファクトリードライバーであるアール・バンバーのふたりが、2022年にCGRが体制を拡大した際にフル参戦を果たす有力候補のようだ。

 このふたりは、8月にロード・アメリカで行われたプライベートテストですでにCGRのキャデラックDPi-V.Rをドライブしたと見られ、来季の参戦が明らかとなっているレンガー・バン・デル・ザンデとともに、再構成されるドライバーラインアップを構築する可能性がある。

 2台体制を採る場合、バン・デル・ザンデのほかに少なくとも3名のドライバーが必要となるが、ABB FIAフォーミュラE選手権等で活躍するアレックス・リンも、来季のCGRのドライバーとなる可能性が言及されている。

2021年はJDCミラーから長距離耐久戦のサードドライバーとしてエントリーしているセバスチャン・ブルデー
ポルシェLMP1では2度のル・マン総合優勝を遂げているアール・バンバー

 CGRのマネージング・ディレクターを務めるマイク・ハルは8月、Sportscar365の取材に対し、現在CGRから参戦し来季はプジョーのLMHドライバーとなるケビン・マグヌッセンの代役について「絞り込まれた」と語っていたが、その時点では2台目のエントリーの可能性はあまり高くないと見られていた。

 しかし状況はここ数週間で変化した模様で、来季CGRが2台体制を採る可能性が高まってきている。

 2022年はインディカー・シリーズへの関与を縮小する予定のブルデーは2016年、ル・マン24時間のLMGTEプロクラスにおいて、CGRが走らせたフォードGTのサードドライバーとしてクラス優勝を果たしており、来季参戦が決定すればチームへ“復帰”することになる。

 ブルデーは、2023年にLMDhへと参入するキャデラックが優先的な起用を検討していると見られる。キャデラックは、IMSAおよびWEC世界耐久選手権への双方に参加を予定している。

 今季はポルシェとファクトリー契約を結んでいないバンバーは、キャデラックのリストの上位にいるもうひとりのドライバーであると理解されている。バンバーは最近、2022年のフルシーズンエントリーを見越し、テネシー州ナッシュビルに転居している。

 現在では可能性が低くなっていると見られるが、ある時点でCGRは、今季のIMSA最終戦プチ・ル・マンに2台目のキャデラックDPi-V.Rをエントリーすることを検討していた。

 なお、ブルデーは今季、IMSAの長距離戦で構成されるミシュラン・エンデュランス・カップのレースにはマスタング・サンプリングがスポンサードするJDCミラー・モータースポーツの5号車キャデラックDPi-V.Rからサードドライバーとして出場しており、セブリング12時間レースでは優勝も飾っている。

2022年のCGRのドライバーとして噂されるアレックス・リン

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