頂点を目指す戦い 2021年ポストシーズンが日本時間6日スタート

メジャーリーグでは日本時間10月4日にレギュラーシーズンが終了し、1日のオフを挟んで同6日からポストシーズンがスタートする。メジャーリーグ公式サイトではポストシーズンに出場する10チームを様々な角度から分析。昨季は新型コロナウイルスのパンデミックのなかで開催された60試合制の短縮シーズンとなり、史上初の16チームでのポストシーズンをドジャースが制して1988年以来32年ぶりの世界一に輝いたが、2019年までの形式に戻される今年のポストシーズンを制するのはいったいどのチームだろうか。

まず、予想される26人ロースターの構成を見てみよう。生え抜き選手が最も多いのは9月に球団新記録の17連勝を記録して一気にナ・リーグの第2ワイルドカードを獲得したカージナルス。26人の過半数にあたる14人がドラフトやドラフト外により自前で獲得・育成した選手だ。他の9チームは生え抜き選手が11人以下となっている。

他の9チームのなかで特徴的なのはア・リーグ最高勝率のレイズ。26人ロースターの7割を超える19人がトレードで獲得した選手である。レイズは予算規模の小さいスモールマーケット球団のため、主力選手の年俸が上昇すると抱えきれなくなり、トレードで放出するケースが多い。そのトレードで他球団から獲得した有望株を育てることでチームの戦力を維持している。生え抜き選手が少ないからといって育成を放棄しているわけではないことに注意が必要だ。

ナ・リーグ最高勝率のジャイアンツはFAで獲得した選手が12人でダントツ。今季のジャイアンツは球団史上最多の107勝をマークしたが、大物FA選手をかき集めているわけではなく、これまでパッとしなかった選手たちの才能を引き出し、開花させることで戦力をアップさせた。レイズ同様、他球団から獲得した選手が多いからといって育成を蔑ろにしているわけではない。生え抜き、外様にかかわらず、その選手の実力をしっかり引き出せるチームがポストシーズンに駒を進められるということだろう。

今季の戦いを踏まえたシーズン終了時点での「パワー・ランキング」は以下の通り。今季メジャー最多の107勝を挙げたジャイアンツが1位、惜しくも1ゲーム差で地区9連覇を逃したドジャースが2位にランクインした。

◆パワー・ランキング
1 ジャイアンツ
2 ドジャース
3 レイズ
4 ブリュワーズ
5 アストロズ
6 ホワイトソックス
7 ヤンキース
8 ブレーブス
9 カージナルス
10 レッドソックス

また、メジャーリーグ公式サイトのアンソニー・カストロビンスはポストシーズンに出場する10チームの投手陣と打線を1位から10位までランク付け。投手陣の1位にはメジャートップの防御率3.01をマークしたドジャース、打線の1位にはメジャートップの863得点を記録したアストロズが選ばれた。投手陣と打線のランキングは以下の通り。

◆投手力ランキング
1 ドジャース
2 ブリュワーズ
3 ジャイアンツ
4 ホワイトソックス
5 レイズ
6 ヤンキース
7 アストロズ
8 ブレーブス
9 カージナルス
10 レッドソックス

◆打撃力ランキング
1 アストロズ
2 レイズ
3 レッドソックス
4 ホワイトソックス
5 ドジャース
6 ジャイアンツ
7 ヤンキース
8 ブレーブス
9 カージナルス
10 ブリュワーズ

ポストシーズンではレギュラーシーズンの戦いを踏まえたこうした分析が全く役に立たず、勢いに乗ったチームがそのまま頂点に駆け上がることが珍しくないのも事実。その意味では9月に17連勝をマークするなど、一気にコンディションを上げたカージナルスは他球団にとって不気味な存在だろう。ドジャースが1998~2000年のヤンキース以来となるワールドシリーズ連覇を達成するのか、あるいは他のチームがチャンピオン・リングを手にするのか。頂点を目指す戦いがいよいよ幕を開ける。

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