【おもしろ小箱】 No.222「スライスした岩石を観察してみよう」

▲カンラン石玄武岩の偏光顕微鏡写真

 「スライス」と聞いて想像するものは何でしょうか? スライスチーズや玉ねぎスライスなど、薄く切ったものを思い浮かべませんか。では「岩石」からどんなイメージが浮かぶでしょう? 重いとか硬いとかでしょうか。それでは「スライスした岩石」を想像できるでしょうか?

 硬い岩石も、専用の道具を使えば薄く切ることができます。この岩石片をスライドガラスに貼り付けて、削ったり磨いたりして光を通すほど薄くしたものを岩石薄片(がんせきはくへん)といいます。これを、偏光板2枚が組み込まれている偏光顕微鏡を使って観察するとどうでしょう。そこには、肉眼で見たときとは全く違う色味を持った、美しい世界が広がっています。

 博物館の地学常設展示室では、花こう岩の偏光顕微鏡映像を、岩石薄片をつくるところから紹介しています。岩石の新たな一面をお楽しみください。

山口県立山口博物館 地学担当 赤﨑 英里

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