中日・藤井が引退会見「やれるから続けられる世界ではない」

引退会見を行った中日・藤井

今季限りで現役を引退する中日・藤井淳志外野手(40)が5日、バンテリンドームで会見を行った。

冒頭で「16年間支えてくださったチームの関係者の方、裏方の方、そして温かい声援を送り続けてくれたファンの方には感謝の気持ちでいっぱいです。長いようで短かった16年間ですが本当にありがとうございました」とあいさつした。

ここ2年間は一軍出場なし。思いの丈をぶつけようとすれば「3時間ぐらいの話になってしまう」と本音をグッと飲み込み「(現役を)まだやれる思いは全然あるけど、いろいろなことがあるので。やれるから続けられるという世界ではない。ゆっくり時間をかけて、納得するとかじゃなく、現実として受け入れていこうと思った」と引退を決断した経緯を明かした。

現役16年間について「思い描いたものとはちょっと違ったのは多々あった。こうしたら良かった、ああしたら良かったと。特に落合監督のときにもう少し、いろいろな意味で素直にというか、大人になってひと皮むけていたらどうだったかなーというのはある」と振り返った。

それでも思い出に残っている監督を問われると「落合監督には優勝させてもらって、そこから選手としてパワーアップさせてもらったが、一番僕を輝かせてくれた方は森(繁和)さん。他の監督のときは(期待に)応えられず、自分も歯がゆい思いをしながらプレーしてきたが、一番仕事で応えることができたのは森さんのとき」と吐露した。

地元愛知・豊橋市出身で豊橋東高、筑波大、NTT西日本を経て2006年の大学・社会人ドラフト3巡目で中日に入団。通算1093試合に出場し、634安打で打率2割6分2厘、45本塁打、273打点をマーク。引退後、第二の人生ついてて指導者の道は「もし縁があってそうなれば」と関心を示しつつも「野球より稼いでいるなと思われるようにしたい」と、にやり。

後輩たちに向けては「本当にいい選手がいっぱいいる。今の若い選手、25歳以下の選手、皆さんが思うよりもすごく可能性を秘めた選手が多い。ただ、なあなあな空気ではドラゴンズではだめだと思う。厳しさの中にも楽しさがあって、若い子たちが能力を発揮すれば、めちゃくちゃ強くなる。優勝旅行を経験してほしい」とエールを送った。

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