DeNA、8年連続で阪神戦負け越し… チーム再建に必要な“虎アレルギー”払拭

DeNA・三浦大輔監督【写真:荒川祐史】

9月0勝3敗だった青柳が復活…DeNA戦は今季4勝0敗、対戦防御率1.91

■阪神 5ー2 DeNA(5日・横浜)

就任1年目の三浦大輔監督率いるDeNAは5日、本拠地・横浜スタジアムで行われた阪神戦に2-5で敗れた。48勝65敗15分で“借金”が今季最大タイの「17」に。残り15試合で今季の負け越しが決まった。8年連続の阪神戦負け越しも2試合を残して決定(10勝13敗)。来季以降のチーム再建には、虎への苦手意識払拭が欠かせない。

ヤクルトと激烈な優勝争いを演じている阪神を、現在最下位のDeNAが強くアシストしてしまった格好だ。先発の2年目左腕・坂本は初回、1番・近本に2球目を中前打され、2番・中野には3球目を右中間へ適時二塁打。試合開始からわずか4球で失点し、4番・大山にも左前適時打を浴びた。

さらに2死一、二塁から、59打席ノーヒットだった佐藤輝に、右前適時打を献上。泥沼にはまっていた佐藤輝だが、DeNA戦に限っては、試合前の時点でも打率.312(77打数24安打)、6本塁打17打点と抜群に相性が良かった。結局坂本はこの回4点を失い、3回限りで早々とKO。三浦監督は「立ち上がりが悪すぎた。変化球が高めに浮いていた。上位チーム相手によーいドンで4点は大き過ぎた」と憮然とした表情で苦言を呈した。

相性といえば、阪神先発の青柳は9月に4試合0勝3敗、月間防御率5.14の不振に陥っていたのだが、これまたDeNA戦となると様子が変わる。6回6安打2点に抑えられ、8月24日の同カード(京セラドーム)以来42日ぶりの白星をプレゼント。これでDeNAには今季、5戦4勝0敗、対戦防御率1.91となり、対戦相手別では抜群の数字である。

三浦監督が分析した“天敵をまたもや打てなかった理由”

青柳に対して試合前の時点で対戦打率.400(10打数4安打)と比較的相性が良かった19歳の森敬斗内野手を、「7番・遊撃」でスタメン起用。実際、森は5回1死から中前打を放ち、この回2得点の口火とはなったが、試合の体勢に影響を与えることはできなかった。

なぜ、青柳を打てないのか。三浦監督はこの日に関しては「初回に4点を取られ、大胆に攻められたというところ」と見た。確かに、変則横手投げの青柳は、大量リードを背に余裕を持って緩急をつけられると、攻略がなおさら難しくなる。青柳との前回対戦の8月24日にも、味方の先発・浜口が4回6失点と炎上している。とはいえ理由はそれだけではないだろう。

これでDeNAは阪神に2014年以降、8年連続負け越し。今季に限れば、6勝11敗3分のヤクルトの方により多くの星を奪われているが、阪神に対する積年の苦手意識は来季以降につながる。就任1年目の指揮官にとっても、対策は急務だ。

この日、4番のオースティンが左ふくらはぎの張りを訴え、5回の守備からベンチに下がった。残り試合の出場にどう影響するのか、不安が広がった。今季の阪神戦は6日と7日の2試合しかない。「1つでも勝てるようにやっていく」と表情をこわばらせた三浦監督は、せめてもの一矢を報いることができるだろうか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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