DeNA坂本裕哉に“脱皮”期待… 5回自責0の好投も三浦大輔監督が指摘した課題とは

DeNA・坂本裕哉【写真:荒川祐史】

3点リードの4回、2つの失策が絡んで2点を奪われた

■DeNA 5ー5 巨人(9日・横浜)

DeNAは9日、本拠地・横浜スタジアムで行われた巨人戦に5-5の引き分け。3点リードの9回に守護神・三嶋一輝投手が打ち込まれ、3連戦3連勝をあと一歩のところで逃した。先発して5回を6安打2失点(自責0)にまとめた坂本裕哉投手の今季5勝目も消えた。

坂本は立命大からドラフト2位で入団した2年目の左腕。今季4勝は、チームでは大貫の6勝、浜口の5勝に続く。「先発要員の1人」から「押しも押されもせぬ柱」へ、脱皮を期待されている左腕だ。

1回1死一塁では、吉川に真ん中の142キロ速球を打たせて遊ゴロ併殺。2回も無死一、二塁のピンチを背負いながら141キロの速球でウィーラーのバットを折り、投ゴロ併殺に仕留めて得点を許さなかった。スピードガン表示は140キロ台前半でもキレがあり、相手打者のバットを押し込んでいた。

3点リードで迎えた4回、先頭の岡本和を遊撃手・柴田のエラーで生かし、1死後、ウィーラーの左前打に左翼手・佐野の悪送球が絡んで二、三塁とピンチが広がった。ここで廣岡の二ゴロの間に1失点。続く岸田に対してはカウント0-2と追い込んだが、2-2まで粘られ、真ん中に入った6球目のチェンジアップを中前適時打された。

坂本「紙一重で粘れるかが勝てる投手と勝てない投手の差」

味方の2失策が絡んでの2失点で、自責点は0。三浦大輔監督は「嫌な流れの中でよく踏ん張った」と評価したが、一方で「追い込みながら打たれたところに課題もある」と付け加えた。

坂本は前回登板の広島戦(2日)で、2回に2死を取りながら投手の九里に右前打され、続く長野に先制2点二塁打を浴びて結果的に敗れている。それだけに、詰めの甘さを指摘せずにいられなかったのだろう。

5回で90球。今季最多投球数は4月23日の阪神戦の98球で、1年目の昨季は101球を投げた試合もあった。1点リードの僅差で「もう1イニング」を任せてもらえないところに、現時点での信頼度が表れている。坂本自身「紙一重のところを粘れるか粘れないかが、1軍で勝てる投手と負ける投手の差だと思います」と自身の課題を認識している。

強力打線を擁するDeNAだけに、手薄な先発投手陣にあって坂本がひと皮むけるかどうかは、重大なテーマの1つだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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