「受け入れ表明のお礼」前宮古島市長公判、贈賄側が証言

 沖縄県宮古島市上野野原の陸上自衛隊宮古島駐屯地の用地取得を巡る贈収賄事件で、国への土地売却の便宜を図った見返りに現金600万円を受け取ったとして、収賄罪に問われた前宮古島市長の下地敏彦被告(75)の第2回公判が5日、那覇地裁で開かれた。贈賄罪で有罪判決を受けたゴルフ場元社長(65)が証人として出廷し、現金を渡したことについて「(陸自配備の)ものすごい反対運動が起こっている中で、受け入れ表明をしてくれたことへのお礼だ」などと述べた。

 ゴルフ場元社長は、自身が代表を務めていたゴルフ場「千代田カントリークラブ(CC)」所有の土地と、「大福牧場」が候補地に挙がっていたと説明。選定の見通しについて「地下水への影響がある。大福は間違ってもないと思っていた」と語った。

 当時、陸自配備の反対運動が起こっていたとし「受け入れ表明の権限は市長にしかない。もしかしたら表明しないのではないかと不安だった」とも述べた。

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