【衆院選2021】神奈川の野党候補、一本化の行方は 横浜市長選制し「好機」…成否次第で勝敗逆転も 

 岸田文雄新首相が14日に衆院を解散し、次期衆院選の日程を19日公示、31日投開票にすると表明したことで、神奈川県内も一気に選挙モードが加速している。「自民1強」の常態化を阻止したい野党だが、立憲民主党と共産党による候補者調整の結論は出ていない。一本化の成否によっては勝敗を左右しかねない選挙区もあるだけに、関係者は気をもんでいる。

 「今回は最大のチャンス。このままだと共倒れになるのは明らか。野党系候補が勝利した横浜市長選の勢いを生かすべきだ」。立民と共産が競合する3区で野党共闘を進める市民団体の男性幹部は、自民党が当選8回を重ねた小此木八郎・元国家公安委員長の市長選出馬で新顔を擁立する今回を好機とみてこう訴えた。

 県内18小選挙区のうち、立民はこれまでに15選挙区で候補予定者を擁立。一方、共産は、9月に現職が立民入りした9区を除き、立民の現職がいない選挙区を前提に7選挙区で擁立している。このうち、2、3、9、13、17の5選挙区で立民と共産が競合している状態だ。

 両党は9月30日、立民の枝野幸男代表と共産の志位和夫委員長が党首会談を開催。衆院選での政権交代を見据え、競合する小選挙区で候補者一本化を加速させることで合意した。

 共産が一定程度の候補者を降ろすとみられ、党本部レベルの候補者調整が進められているが、衆院選公示まで2週間を切った現在も結果は示されていない。

 ある競合区の立民候補予定者は「このままでは自民候補を利するだけ。現行政治に対する不満を形にするためには大きな政治的な決断が必要だ」と一本化の実現に期待する。

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