絶滅危惧ダイサギソウ盗掘か 「世界遺産登録で注目される中、残念」 奄美大島・龍郷町の山中

掘り返される前のダイサギソウ=9月25日、龍郷町(同町提供)

 龍郷町は6日、町内の山中で、ラン科の希少種ダイサギソウ1株が掘り返されていたのが見つかったと発表した。奄美署は盗掘された可能性があるとして調べている。

 町によると、「奄美シダ類研究会」の会員が2日、根ごと掘り返された跡を発見。町と環境省、奄美署が4日、現場を確認した。

 ダイサギソウは環境省レッドリストで近い将来、絶滅の危険性が高い絶滅危惧ⅠB類に分類される。盗掘や草払いなどで分布域が減り、奄美大島の群生地は数カ所だけとされる。2018年にも奄美大島の山中で約10株が掘り返されていた。

 奄美大島5市町村の条例で採取は禁じられ、違反すると1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。龍郷町は「世界自然遺産登録で注目される中、非常に残念。条例の周知やパトロール強化に努める」としている。

環境省レッドリストの絶滅危惧IB類に指定されているダイサギソウ。純白の花がシラサギのように見えることが名前の由来

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