韓国紙「ノーベル賞で日本が最上位の科学力を誇示」「韓国研究者は失敗を他人に知られること恐れる」

韓国紙が、日本人学者・真鍋淑郎(90)氏が気候変動や地球温暖化の予測モデルでノーベル物理学賞を受賞したことを賞賛する一方、韓国のノーベル賞受賞者がいまだ金大中元大統領(平和賞)一人に留まっている現状について嘆いている。

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韓国の有力金融紙マネートゥデイ紙は5日、日本国籍または日本出身者のノーベル賞受賞者が合計29人に達しとし、「120年の間、米国と欧州の先進国が牛耳ったノーベル賞だが、科学分野では日本がノーベル賞の宗主国スウェーデンを抜き世界5位だ」と称賛した。

同氏は、「特に21世紀に入ってから、なんと19人の科学部門の受賞者を輩出、アメリカ(79人)に次ぐ世界第2位だ」とし、「日本が世界最上位圏の基礎科学力を誇示する分野だ」と指摘した。

一方でマネートゥデイは、「日本の喜びを眺める韓国科学界の表情は苦々しい」とし、「淡い期待が失望に変わったのは何回目だろうか」と嘆いた。韓国はこれまでたった一人のノーベル化学賞受賞者を輩出できなかったと同紙は説明した。

同氏は、「2015年に、中国でさえノーベル生理学・医学賞受賞者を排出したことで焦りはさらに大きくなった」とし、「サムスン電子とBTS、パラサイトにイカゲームまで、韓国はIT・文化強国に立ったが、毎年10月に頭をもたげる韓国の《ノーベル科学賞コンプレックス》は、国内はもちろん海外でも関心を持って見守る問題だ」と伝えた。

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同氏は、韓国がノーベル科学賞を取れない理由として、基礎科学に無関心な研究風土を挙げ、真鍋教授が1960年代の業績で受賞したが、当時韓国には気象学者もいなかった時代であるとの専門家指摘を伝えた。続けて、韓国が1989年から基礎科学強化の国家計画を持ったのに対し、日本は1918年にすでに同支援金制度を施工していたことを挙げ、「日本と比べ(韓国は)まだよちよち歩きの段階だ」とマネートゥデイは指摘している。

続けて、「韓国のノーベル科学賞コンプレックスは、科学技術レベルに対する韓国社会内部の自信の欠如が表れている」と指摘。日本が2001年の第2次科学技術基本計画において「50年間で30人のノーベル賞受賞者輩出」を目標に定めたが、品がないという指摘を受け最終的に削除したことを挙げ、「ノーベル科学賞に執着する韓国科学界が注目すべき部分だ」と伝えている。

アジアトゥデイ紙もこの問題に注目した記事を掲載し、韓国の研究の文化について批判をした。同紙は、「《早く早く》という言葉が多い韓国研究者たちは、《蓄積》よりも《フロー》を重視する」とし、「変化する環境に迅速に適応するのはうまいが、井戸を掘り独創的な創造や独歩的研究成果を得るのは苦手だ」と指摘した。

そのため、韓国人は「ノーベルが遺言に残した《最も重要な発見》は難しい」とし、「韓国の研究者たちは、失敗することを他人に知られることに対する恐怖がある」ため、「短期及び成果中心の研究生態系」を持ち、「長期的・安定した研究が難しい」と述べている。さらに、「政府が研究を主導し流行歌的な研究が進められ、創造的発想が光を見ることが難しい」と批判した。

一方で日本についても、1995年以降、研究者への安定的な資金提供を「競争的経費体制」に転換してことで、「短期で成果を得ようと研究する傾向が広がっている」とし、「日本の科学界で創出される論文の量的及び質的水準が低下し、国際的な影響力が減少している」と指摘している。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「羨ましがることは何もない…大韓民国は必ず日本を超える」

「教授たちが政界周辺に群がって出世することを最善として考えていないか?…」

「サムスン程度を自慢している時点でノーベル賞は取れない…」

「ノーベル賞は取らなくても良いよ。それ以外の賞を韓国人はいっぱい取ってる」

「うまく行けば外国で博士号得て研究もできるのに、韓国で苦労して研究するわけないだろ」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

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