ツインバード工業株式会社(新潟県燕市)が2022年2月期第2四半期決算(連結)を発表、家電とFPSCの両事業で増益

ツインバード工業株式会社 外観

ツインバード工業株式会社(新潟県燕市)は7日、2022年2月期第2四半期決算(連結)を発表した。

売上高は70億8,027万円(対前年同期比35.2%増)、営業利益は8億452万7,000円(前年同期は△9,710万8,000円)、経常利益は7億5,485万8,000万円(同△1億6,145万2,000円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億9,264万1,000円(同△1億2,057万円)で増益増収となった。

ツインバードでは2020年4月に公表した中期経営計画で「TWINBIRDブランド価値向上」「経営品質の向上」「成長事業の進展」を基本戦略に掲げ、事業構造を筋肉質に転換し財務体質を強化するとともに、成長事業であるFPSC(フリー・ピストン・スターリング・クーラー)事業の進展に向けた取組みを進めてきた。そして新型コロナウイルスワクチン接種需要に伴いFPSC製品の大型受注などにより、大きく業績が伸張した。

通期業績予想は大幅な増収増益を予想するが、前年下期に厚生労働省向けに新型コロナウイルス感染症ワクチン用ディープフリーザー「SC-DF25WL」大型案件の収益を計上したことから、本年下期では減収減益の見通し。

一方、財務体質が大きく改善し今後の事業展開に向けた戦略的な投資余力を十分に確保できたとして、下期は「ブランド価値向上・ビジネスモデル変革」「FPSC事業の革新的技術による事業展開」「DX加速による業務改革」を狙う大胆な戦略的投資の実行を優先する。

これまでのカタログギフトなどでの多種多様なエントリーモデルの展開が中心だった家電事業を、高付加価値商品の開発強化や、株式会社博報堂との取り組みを通じたブランディング強化で、同社の全自動コーヒーメーカーに代表される「こだわりのある人への特別な商品」の展開へビジネスモデルを転換していく。

FPSC事業でも製品機能の拡充や、新事業領域のエキスパート採用などを実行する。また綜合警備保障株式会社(ALSOK)との駆けつけサポートサービスの委託契約を締結し、ワクチン接種でのサービスを拡充。国内での展開に加え、ワクチン接種が遅れるアジアやアフリカの一部地域などへの海外展開も、国際機関へのロビーイング活動などを通して加速していくという。

2022年2月期第2四半期決算のセグメントごとの経営成績は以下の通り。

家電製品事業

家電製品事業では、緊急事態宣言の延長や対象地域の拡大などによる販売店への来店者数の減少、および消費マインド低下の影響を受け、家電量販市場向けの売上が足元で減速した。

一方、ホテルや病院向けの業務用家電や、OEM製品などのソリューションビジネスは、前期において新型コロナウイルスの感染拡大による影響を大きく受けていたが、当第2四半期連結累計期間では順調に回復。また、戦略的なSKU(商品点数)削減などにより、収益性が継続的に改善し、家電製品事業における売上総利益率は前年同期比1.9ポイント上昇した。

この結果、家電製品事業の当第2四半期連結累計期間における売上高は52億6,292万4,000円となり、前年同期比3.6%の増収。セグメント利益は4億7,891万円となり、前年同期比57.8%の増益となった。

なお家電製品事業は、年末年始商戦や新生活商戦における販売需要が最も多くなるため業績に季節的変動があり、売上高および利益は第4四半期連結会計期間に集中する傾向がある。

FPSC事業

FPSC事業については、SC-DF25WLの武田薬品工業株式会社向け大型案件の出荷が4月にて完了し、さらに厚生労働省からの追加受注についても7月に出荷した。これらの製品は、モデルナ社ワクチンの主な接種先である医療機関や、職域接種会場などへの輸送・保管用に使用されている。

この結果、FPSC事業の当第2四半期連結累計期間における売上高は18億1,734万5,000円となり、前年同期比約12倍の増収。セグメント利益は8億769万9,000円で、前年同期比約31倍の増益となった。

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