原巨人をグラつかせ物議を醸した「石井琢朗コーチ三軍行き」の〝真相〟

阿部作戦コーチ(右)と話す原監督

3位・巨人は7日のヤクルト戦(神宮)に0―1で痛恨のサヨナラ負けを喫し、3連敗で首位まで今季最大8・5ゲーム差まで拡大した。一方で原辰徳監督(63)が断行したコーチ陣の「役職変更」が大きな波紋を広げている。中でも一軍から配置換えとなった石井琢朗三軍野手コーチ(51)の一件だ。「衝突説」や「懲罰人事」などさまざまな臆測を呼んでいるわけだが、その〝真相〟とは――。

投手陣の踏ん張りも水泡に帰した。9回一死まで4投手で無安打に封じたが、二死二塁から山田のゴロをさばいた遊撃手・坂本の一塁送球がワンバウンド。若林が処理にもたつく間にサヨナラのホームを踏まれた(記録は安打)。打線は散発4安打に11三振で4戦連続の2桁三振。首位追撃どころか3タテを食らった原監督は「何とか打線がこじ開けないとね。勝てませんね」と言葉を絞り出した。

日増しに現実味を帯びるV逸に輪をかけて物議を醸すのが、原監督が5日に行った配置転換だ。阿部二軍監督を一軍作戦コーチに招へいし、二岡三軍監督は二軍監督、石井コーチが三軍野手コーチとなった。〝目玉〟は阿部作戦コーチだったが、指導力に定評のある石井コーチはリーグ戦再開後の8月からベンチから外れて「三軍行き」となっただけに、チーム内でも「何かトラブルでもあったのか…」などとザワついた。実際のところは、どういう意図だったのか?

球界関係者は「『石井コーチが原監督と意見が衝突した』とか『左遷された』とかいろいろな臆測が流れているけど、実態はまったく違う。衝突もしていなければ、冷や飯も食わされていないし、懲罰人事でもない」と否定。さらに、球団関係者は「原監督からすると一~三軍までがワンチーム。通常のコーチ陣のシャッフルの一環で、石井コーチに対しても〝ファームの方も勉強してきてほしい〟という考えしかなかったと聞いている」という。今季も交流戦前に一~三軍のバッテリーコーチを総入れ替え。一時は三軍コーチとなった相川コーチを後に一軍に呼び戻し、元の布陣に戻している。

原監督は3日のイースタン・リーグ公式戦終了後、今回の配置転換について「ずいぶん前から(元木)ヘッドを含め、ヨシ(吉村コーチ)にも伝えていました。最終盤とかそういうんじゃなくて予定通り」と説明していた。指揮官にしてみれば、あくまでも〝通常運転〟だったが、時期も時期だっただけに動揺を広げてしまったようだ。

対外的にはバタついた印象も与えた感も否めないが、大胆なシャッフル人事は今後にどう影響していくのか。

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