【W杯アジア最終予選】12日オーストラリア戦開催の埼玉スタは厳戒対戦 サポーターの暴徒化を懸念

UAE戦の試合結果に不満を持った一部のサポーターが暴徒化した(1997年10月26日)

サポーターの暴徒化阻止へ――。カタールW杯アジア最終予選の日本―オーストラリア戦(12日)を開催する埼玉スタジアムに厳戒態勢が敷かれることになった。

関係者によると、同戦は上限となる1万人の観客に加えて新型コロナウイルス対策などの条件付きながら5000人を迎え入れる予定で最大1万5000人観客動員が見込まれているが、W杯出場に向けて厳しい状況に立たされている日本が同戦に敗れるようなことがあれば、過激なファンが暴動を起こしかねないため、スタジアムはもちろん、周辺の警備体制を強化することになったという。

1997年10月26日に行われたフランスW杯アジア最終予選の日本―UAE戦(国立)は1―1のドローとなり、ふがいない戦いに不満を募らせた一部のサポーターが暴徒化。中継車の上に飛び乗り、パイプイスを投げたり、生卵を投げるなど大暴れ。同予選で不振が続いているエースFW三浦知良(現横浜FC)に向けて「カズ出てこい!」と叫ぶなど、大騒動に発展した。

関係者は「そういうことを警備会社は懸念していて、警備体制を見直している」とし、具体的な人員数や体制については明かさなかったものの「サポーターがピッチに乱入するとか、試合後にスタジアム周辺で暴れるとか、そういうことを想定している」とし、暴動阻止へ体制強化など準備を進めているという。

3連勝中のオーストラリア戦に敗れれば、日本は7大会連続のW杯出場に向けて崖っ縁に追い込まれるとあって森保一監督の解任は避けられないとみられている中、ピッチ内外で〝一触即発〟のムードが漂っている。

© 株式会社東京スポーツ新聞社