原爆投下後に降った「黒い雨」の被害者らが広島市に被爆者手帳の交付を求め集団で申請をしました。
(広島市の担当者)
「手帳を交付したいという内容の申請でよろしかったですか?」
小川さん
「そうです」
広島市に被爆者手帳を申請するため会場を訪れた小川泰子さん(80)。
4歳のとき爆心地から約9km離れた旧八幡村の自宅前で黒い雨を浴びました。
(小川泰子さん)
「ピカっと目がくらんだのを覚えているんです」
「黒い雨」をめぐっては7月に原告全員を被爆者と認める判決が確定しています。
ただ、原告以外で黒い雨を浴びた被害者については救済を検討するとしているものの未だ、具体的な内容は示されていません。
現在、佐伯区に一人で暮らしている小川さんは若いときから体が弱く、肝硬変を患っているため、大量の薬を服用しています。
しかし…黒い雨を浴びた地域は国の援護対象区域の外。これまでに何度も手帳の申請をしましたが全て取り下げられました。
(小川さん)
「次は私たちの番かなとは思っています。私たちも生きて来たんだから70何年も。証が欲しいんです。」
裁判の弁護団らは政府の方針を受け被爆者手帳を集団で申請できるよう支援を始めています。
11日は約200人が市に手帳の申請書類を提出しましたが政府から新しい審査基準が示されるまで交付はできないと説明があったそうです。
(小川さん)
「きょうの申請がすんだのは晴れ晴れしたけど、まだ手にとってもらわないと私は納得できない」
いつになったら手帳は交付されるのか。多くの人が一刻も早い救済を心から望んでいます。
(小川さん)
「闘病生活している人がいっぱいいる。早く早くしてもらわないと命がある、限度がある」