国際人道NGO職員の経験を活かし、この日本でも、だれも取り残さない社会に! 立憲民主党・山川百合子さんインタビュー【PR】

選挙ドットコム編集部(以下、「選コム」):政治家になる前は、国際NGOで働いていらしたのですね?

山川百合子さん(以下「山川氏」):はい。紛争地域の支援活動などを行う国際人道NGOで働いていました。紛争地域や貧困地域、社会的に差別、抑圧、貧困、格差がある地域で支援活動を行っていましたた。その活動を通して、政治が混乱すると、そこで暮らす人々の生活や命も危うくなるのだという現実を突き付けられました。

貧困地域の例は、モンゴルです。社会主義が崩れて体制変更があった時、社会の仕組みが混乱し、ストリートチルドレンが街にあふれました。モンゴルは寒くて、路上では暮らせないので、マンホールで暮らすのです。モンゴルの首都・ウランバートルでは、地下に温水管が張り巡らされていて、そこは暖かいのでそこで。マンホールチルドレンと言われています。そんな子どもたちを保護する孤児院をつくって、職業訓練をしたりするなどの活動をしていました。

また、長く関わっていたのはインドネシアです。パプア州のソロンという村で通算2年間、現地で生活しました。多民族国家で、権力側と差別される側があります。差別・抑圧されているその地域の方々の生活改善をしていこうという困難なプロジェクトでした。

選コム:国際NGOの活動をされる中で、なぜ日本で政治家になろうと思われたのですか?

山川氏:海外の支援地に一生を捧げることも考えたのですが、現地の方に「関わってくれるのはうれしいが、あなたはいずれは自分の国に帰るでしょう?理屈通りに物事は動かない。ここにはここの人間関係、社会事情もある。私たちは、ここで生まれ育って死んでいくんだ。私たちの時間軸、私たちのペースで進んでいくしかないのだ」言われたことがありました。

自分の考えや正義を押し付けているつもりはなかったのですが、自分の感覚で物を見るということをしてしまっていたのかなと。私は自分の生まれ育ったところで何ができるだろう?とハッとさせたれたのですね。そんな時に、生まれ育った埼玉県の県会議員選挙があり、出ないかとお声がけをいただいたのです。母が子育てや教育関係の様々な市民活動をずっとやってきた人で、そのつながりでした。

選コム:2003年に埼玉県議になられて、県議としてはどのような取り組みをされてきたのですか?

山川氏:地元・埼玉で、社会的に弱い立場の人たちのための取り組みをしました。障害のある方が受けられる国のサービスがありますが、国として制度はあっても、自治体によって判断が異なっていたりするので、地元・草加でも取り組むように促したりしました。

具体的には、障害者支援、子育て支援ですね。また、私にとって大きな変化のきっかけは、不妊治療の問題でした。来年から、不妊治療は国でも保険適用となりますが、埼玉県では独自で、男性不妊について、国に先駆けて助成金を出すように働きかけをしてきました。私は当事者として、カミングアウトしながら議会で訴えたのです。カップルの6組に1組(当時)が不妊の問題を抱えていると、切実な声を知事に示すと、そういう実態があるのであればと取り組んでいただけることになった。

今は、多くの女性たちが仕事を一生懸命頑張ってきて、そろそろ結婚、出産かなと思ったタイミングではもう、妊娠適齢期が過ぎているんですね。そういう女性が増えている。子どもがいる人も長い不妊治療の末授かったんです、という人もいらして、不妊治療の取り組みを当事者として始めてから、たくさんの当事者の方から声をかけられました。

不妊治療に悩んでいる方は、親にさえ言わない方もいたり、だんなさんが協力的でない人もいたりして、でも夫側に原因がある場合もあったり、自分の問題として捉えない、どこに相談したらよいかわからずひとりで悩みを抱えているということもふつうにあります。

女性への身体への負担や、経済的負担は大きく、保険適用は大事。人口減少社会に、お金と精神的負担を負ってがんばっているこの人たちを支援しないでどうするのだ?と思います。

啓蒙啓発もすごく大事で、不妊についての啓蒙冊子「願う時にこうのとりは来ますか?」を作成していただいて、県内の各自治体で婚姻届けを出すカップル全員に役所で配れるようにしたりしました。

選コム:その後、国会議員になられてからの取り組みはどのようなことを?

山川氏:引き続き、不妊治療の保険適用に向けた取り組みは、啓蒙啓発活動と併せて行ってきました。党の中でもワーキングチームを立ち上げて、要望を取りまとめて活動しました。

超党派でも、野田聖子さんを中心に、党派を超えた取り組みとして国を動かしていくということも行いました。当事者たちの切実な声を届けるために、当事者の声を背に受けて、党派を超えた取り組みをおこなっていきました。そうした活動が実を結び、菅さんが、不妊治療の保険適用を決めました。

ほかには、3年間は外務委員会にいて、立憲民主党の外交安全保障基本政策を取りまとめる特命チームの事務局長もしていました。「日米地位協定の改定を提起する」という一文を基本政策に織り込み、平和創造外交「ピース・メイキング・ディプロマシー」とか、人間の安全保障という言葉をきちんと入れ込むということをしました。

法務委員会も担当しました。法務では、性暴力被害者の救済のための法の整備に取り組みました。特に、障害に乗じた性暴力の問題。社会ではまだまだ隠されているが、障害者をターゲットに性暴力が繰り返される実態があります。これを許してはいけない。当事者支援の団体もあり、連携して活動してきました。被害者が自分で訴えられないことに乗じて行われる卑劣な犯罪ですので、きちんと被害を立証し、立件できるように、法改正するとともに、加害者の厳罰化も明記することが必要ですね。

「声なき声を聞き、光の当たらないところに光を当てる」ということは一貫して取り組んできたことです。

選コム:これからなし遂げたいことや、目標はなんでしょうか?

山川氏:活動の根幹にあるのは、「国家のために国民があるのではなく、国民のために国家があるのだ」という理念。国民ひとりひとりの暮らし、命が守られるような政治をしていきたいです。不妊治療の保険適用の細かな部分を詰めていくこともそうですし、介護の問題もそうですね。担い手不足は深刻です。このままでは介護保険制度も維持すること自体が難しくなってしまう。

また、教育の問題も。公立学校の教育水準を充実させたいです。親の経済格差が子どもの学力に影響するのは由々しき事態ですから、先生方も子どもひとりひとりに向き合う時間を作るために、教育予算を増やす。人が人にかかわることで、ひとが活きる。そういう政治をしていきたいです。

格差が広がっている中で、このコロナ禍でご飯が食べられない子どもがいるという、切実な声も聞こえてきます。NGO時代は海外で貧困地域の支援をしてきましたが、日本国内でもそういうことが起こっているのです。いつ誰がそういう状況に追い込まれるかわからない、自分事として捉えて、そういう人たちをだれも取り残さない社会にしたいですね。そのために、一つ一つの取り組みをしていきたいです。

選コム:政治家としてのお仕事以外で、ご趣味や、空いている時間にしていることなどはありますか?

山川氏:犬が好きで、わんちゃんの動画を毎日必ず見ています。いろんな人がアップしているものを見て、癒されています。猫の動画も見ますが、やっぱり犬が好きですね(笑)

選コム:動物の動画、癒されますよね。今日は貴重なお話をありがとうございました!

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