伊藤美誠が明かす五輪ドイツ戦2ー9の正念場 水谷の言葉に奮起「負けたくない」

大逆転でドイツペアを下した(ロイター)

日本オリンピック委員会(JOC)は12日、日本パラリンピック委員会(JPC)と合同で東京五輪・パラリンピックのメダリストがファンに感謝を伝える「応援ありがとうTOKYO2020」をオンラインで開いた。

イベントでは五輪選手とパラ選手がトークを展開。パラ競泳男子100メートル自由形(S4)金を含む5種目でメダルを獲得した鈴木孝幸(34=ゴールドウィン)は、卓球女子で混合ダブルス金を含むメダル3つを手にした伊藤美誠(20=スターツ)に「混合ダブルス準々決勝のドイツ戦で劣勢に立たされたときの精神状態」について質問した。

同試合は3―3の最終第7ゲームで、水谷隼(木下グループ)と組んだ伊藤がドイツペアに2―9とリードを許しながら逆転勝利を決めて、金メダルに弾みをつける一戦となった。

伊藤は「どう考えても難しいだろうと、99%思いました」と振り返りつつ「水谷選手が『大丈夫だよ』『まだまだある』と初めて言ってくれたんですよ。水谷選手はあきらめが早いタイプなんですけど、今回ドイツ戦で初めて水谷選手に気持ちで負けていると思ったんですね。ここで負けたくない、水谷選手に負けたくないと思って勝ちました」と、意外な舞台裏を明かした。

すると、鈴木や司会者が「戦う相手が間違ってる…」とツッコミを入れて選手やファンを沸かせた。

また、伊藤は「(五輪前は)水谷選手ならではの調整の仕方があると思うんですけど、私が結構練習をするほうなので押し付けてしまって。なかなか水谷選手のモチベーションを保つことができなかったんですけど、五輪前は練習は少しやってくれて」とニヤリ。

これに鈴木は「僕は年齢が近い水谷選手の立場で考えてしまうので、練習してよと言われるとしんどかったんだろうなと」と返し、笑いを誘った。

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