〈動画あり〉滝澤(関根学園)西武育成2位 「スピード生かし泥くさく」 プロ野球ドラフト会議

 プロ野球ドラフト(新人選手選択)会議が11日、東京都内で行われ、関根学園高3年の滝澤夏央内野手(18)が埼玉西武ライオンズの育成2位で指名された。同球団には糸魚川白嶺高出身の綱島龍生内野手(21)が在籍しており、現役2人目の上越出身者。同校選手の指名は平成29年に巨人育成8位指名の荒井颯太外野手以来4年ぶり2人目(昨年限りで引退)。

 滝澤選手は、野球部の安川巧塁監督(29)や両親と共に、学校の会議室でドラフト会議の中継を見守った。午後7時40分ごろ、西武から育成指名を受けると、ホッとしたような笑みを見せた。報道陣に対し「育成という形ですが、選ばれて素直にうれしい。(西武の)源田(壮亮)選手を目標として動画を見たりしてやってきたので、そのトッププレーヤーの球団に入れるのはうれしい。まずは支配下登録を目標に小さい体ですが、スピードを生かして泥くさく、チームに貢献できる選手になれるように頑張りたい」と喜びを語った。

会見後、体育館に集まった野球部の仲間から胴上げされる滝澤選手

 西武には高卒4年目の綱島選手が在籍している。今年は初めて1軍にも昇格した。共に内野手で、一緒に組むことも期待される。「綱島選手も動画でたくさん見ていましたし、追い付けるように泥くさくやっていく。新潟県出身として意識するが、まずは自分が支配下にならないと意味がない。全てにレベルアップして、上のレベルでも通用できるように頑張りたい」と決意を込めた。

西武のマスコットぬいぐるみを手に、笑みを見せる関根学園高の滝澤選手(11日午後7時40分ごろ、同校会議室)

恩師やチームメート、家族の言葉

 11日のプロ野球ドラフト会議で埼玉西武ライオンズの育成2位で指名された関根学園高3年の滝澤夏央内野手(18)は、指導者やチームメート、家族らへの感謝の言葉を何度も口にした。指名後の会見中、「たくさんの方に支えられてここまできたので、今は感謝の気持ちでいっぱい」と話し、涙ぐむ場面もあった。164センチ、65キロの小柄な体を逆に生かし、「子どもたちにこの身長でもできるんだというのを見せ、目標とされるような選手を目指したい」と決意する。当日、現場で見守った恩師やチームメート、家族の言葉をまとめた。

野球部の同僚、後輩に祝福される関根学園・滝澤選手(中央、同校体育館)

 安川巧塁監督(29) 地元の学校を選んで地元からプロに行ったのはすごくうれしい。とにかく支配下選手になれるように体を鍛えて、西武ライオンズの素晴らしい環境の中でもまれて成長してくれれば。野球が大好きな子なので、野球ざんまいで頑張ってほしい。

 安川斉総監督(61) 足と守備は1軍でやれると評価されている。育成だと準備期間があり、この子にはちょうどいい。けがしない体をつくって、長く頑張ってくれれば。しょっちゅう、(本拠地の)所沢に見に行かないと(笑顔で)。

 田原輝也前主将(17) 引退してからもプロ野球選手になるために一番努力してきた選手なので、その努力が報われて、自分たちも本当にうれしい。同級生からプロ野球選手が出たのは、自分たちの自慢であり、関根学園の宝物であり、部員は幸せ者だと思っている。

 滝澤選手の父親・孝弘さん(50) ただただうれしい。小さい頃から夢でしたし、今でも信じられないが、今まで指導してくださった関係者に恩返しできるように、支配下選手を目指して頑張ってほしい。

 母親・貴子さん(51) (涙をにじませながら)不安、心配もあったので、名前が出た時にホッとしました。

 兄・拓人さん(24、関根学園高野球部OB) 育成ですが、下からはい上がって頑張ってほしい。家では小さい時は甘えん坊で、高校生になってクールに。ただただ野球が好きな、野球小僧という感じです。

【滝澤夏央選手経歴】平成15年8月13日、上越市寺町生まれ。2人の兄(拓人さん、有亮さん)を追うように保育園の頃から野球を始め、和田小で幼年野球チーム・三郷タイフーンでプレー。城西中では投手と内野手、3年時に県選抜としても活躍した。関根学園高では1年春から二塁手で先発出場し、1年夏から遊撃手となり、主に救援でマウンドにも上がった。最速138キロ。50メートル5秒8、遠投105メートル、164センチ、65キロ。右投げ左打ち。

© 株式会社上越タイムス社