韓国紙「日本のノーベル賞...社会に階層移動なく職人化」「韓国はお金になる勉強文化」

韓国紙が日本と韓国で対照的となっているノーベル賞受賞状況を挙げ、日本の学問ベースの「丈夫さ」を評価すると同時に、日韓で学問観が異なる点などを指摘している。

参考記事:韓国紙「我が国はノーベル賞コンプレックス」「日本のように焦らず何十年かけて」

慶北日報は11日、イ・ギュホ前永川市教育長の寄稿文『ノーベル賞遺憾』を掲載した。

イ前教育長は、ノーベル科学賞の初受賞を待望する韓国社会の様子について、「一部団体では韓国人初のノーベル賞受賞者に100億を進呈するという広告を出した「一部の学校では、将来のノーベル賞受賞者のための(銅像)台座まで工程に作るなど熱心な姿を見せている」と紹介した。

ノーベル賞発表シーズンになると韓国社会が騒がしい理由について、「ノーベル賞の韓国人受賞者がいないことと、私たちと競い、歴史的に感情が積もった日本の受賞ニュースがその原因だ」と指摘する。

image

続けて、「日本に《相対的剥奪感》を感じるのは、受賞者数はもちろん、受賞分野が文学・物理学・化学などの基礎学問分野に均等に広がっているということにある」とし、「これは日本が培ってきた学問の基礎が丈夫であることを意味する」と分析した。

一方で韓国の学生の学力レベル自体は世界のトップクラスにあることを挙げ、「私たちがノーベル賞をもらえないのは生来の能力のためではない」とし、その差が「文化的動機」にあるとイ前教育長は述べている。

イ前教育長は、日本には「職人(匠人)文化」があるとし、300年以上の歴史を持つ豆腐店や500年以上のうどん店などの例を挙げ、「彼らは自分の仕事に忠実で古いものをよく保つことが知られている」と紹介した上で、その背景として、「社会の変化の幅が少なく、階層移動が難しかった歴史と深い関係がある」「すべての人は、決められた場所で決められたことをしなければならない」と伝えた。

韓国の文化的動機については、「富と名誉の追求」があるとし、李氏朝鮮時代は科挙試験への合格が教育の基本的目的であったと、日本の植民地時代や朝鮮戦争を経たことで既存秩序が崩壊したことで日本に比べ階層移動が自由である点などを挙げた。

イ前教育長は、「したがって韓国人たちが勉強する理由は《お金をたくさん儲けて誇示すること》にある」とし、「学業成績の世界1、2位を占める優秀な学生が、いわゆる《お金になる勉強》にのみ引き寄せられる」と評価した。

イ前教育長は、日本のノーベル賞受賞は「150年近い《時間》の投資の末に成し遂げた産物である」のに対し、韓国は実質30年にしかならないと述べ、現時点で韓国がノーベル賞受賞者を望むのは、「もしかすると我々の過ぎた欲ではいだろうか?」と問うている。

参考記事:韓国紙が分析「日本人はなぜ韓国人より貧しいのか…20年以上も給料が上がらない」

参考記事:文政権がノーベル賞逃した研究機関を追及か 予算2倍も不正続出

参考記事:韓国の研究施設は日本など外国機器に高い依存 「よちよち歩きの段階」議員

© 合同会社WTS研究所