五街道の一つである甲州道中にあった旧小渕村(相模原市緑区)の歴史をたどる企画展「小渕村の昔むかし展」が17日まで、同区吉野の吉野宿ふじやで開かれている。旧家に伝わる古地図や、明治から昭和の商店ポスターなどが展示され、当時の暮らしぶりが読み取れる。
旧小渕村は同区北部に位置し、世界的画家の藤田嗣治が戦時中に疎開した村としても知られる。
企画展では、村の旧家である諸角家に伝わる明治時代の古地図や、「引き札」と呼ばれる商店のポスターやチラシなど約40点を展示している。展示資料は諸角家の土蔵から発見されたもので、古地図は畳半分ほどの地図35枚を複写し、張り合わせて完成させた。
企画に携わったNPO法人「ふじの里山くらぶ」の星和美さんは「旧小渕村の歴史や街並みが分かる貴重な資料。この機会に興味を持ってもらえたらうれしい」とPRする。諸角家で生まれ育った押切京子さん(71)は「忘れられそうになっている村の昔話を伝えていきたい」と話している。