パレスチナ問題理解を 日南高でリモート授業

パレスチナに住む父子から現地の状況について学んだ日南高の生徒

 パレスチナ問題への理解を深めてもらおうと、日南市・日南高(山田秀人校長、343人)で8日、国際協力機構(JICA)パレスチナ事務所の坂元律子次長(55)らとオンラインで結んだ授業があった。3年生を中心に34人が現地住民の話に耳を傾け、平和や自由の尊さを学んだ。
 坂元次長が同校の卒業生という縁で実現した。坂元次長は「JICAは母子手帳のパレスチナ版を作り、水道やごみ収集といった生活インフラの技術協力も行っている」と紹介した。
 ヨルダン川西岸に住む同事務所現地スタッフのラスラン・ヤシンさん(50)と長男のモハマドさん(14)も参加。ラスランさんは「イスラエル軍との緊張が高まると同軍のドローンが飛び回り、人や車を監視する。自治区外に出る自由もない」「世界各地でガザ空爆の抗議活動が起きたことに勇気づけられた」などと現地での日常を率直に語った。また、モハマドさんは「学校では友達とバレーボールなどで遊ぶ。食べ物はチキンや野菜と炊き込んだご飯『マクルーバ』が好き」などと話した。
 岩井ららさん(18)=3年=は「現地の声を聴く貴重な機会。海外に出る自由がないなど、日本では感じない不自由さがあることが衝撃だった」、神保啓太さん(17)=同=は「自分たちにはある自由が侵害されている。SNSなどで世界に発信できないか」と問題意識を高めていた。

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