日本の未来のために、地方に希望と安心を広げたい。前三重県知事・鈴木英敬さんインタビュー【PR】

地域の人たちに「自分たちもできる」という自信を持ってもらいたいとの思いから、三重県知事時代からさまざまな政策を実現してきた鈴木英敬さん。政治家になろうと思ったきっかけや、今後成し遂げたいことなどについて伺いました。

選挙ドットコム編集部(以下「選コム」):政治家になろうとしたきっかけはなんですか?

鈴木英敬さん(以下「鈴木氏」):政治家に興味を持ち始めたのは、小学校高学年の時くらいです。当時、中曽根康弘総理がたくさんテレビに出ていて、アメリカのレーガン大統領やイギリスのサッチャー首相らとやり取りをしていて、小学生なので中身のことはよくわからないけれど、「政治家になったらテレビにいっぱい出られるんだ、かっこいいなあ」と憧れました。

僕は一人っ子で寂しがり屋だったので、小学生の時は特にみんなに構ってほしいといつも思っていたんです。だから目立ちたがり屋の部分もありました。「政治家になったらテレビに出られるんや~!」と思っていて、中学生ぐらいになってから、弘兼憲史さんの「加治隆介の議」や、池上遼一さんの「サンクチュアリ」などを読んで、やっぱり政治家はかっこいいやと思って政治への関心が高まりました。

経済産業省に入った時は、まだ政治家になろうとは具体的には思っていなかったのですが、一番の転機は第一次安倍政権で官邸のスタッフをやらせていただいた時、例えば総理がゆとり教育の見直しを進めたかったけど、官僚の皆さんはなかなか賛成せず動かしにくかったなど、政と官の関係に大きな課題を感じました。

三重県知事としてコロナ対応にあたった鈴木氏

そうした官僚と政治家の関係を見てきて、これは政治の方も、官僚の方も、変えないといけないと。どちらを変えるのが早いだろうかと、自分なりにできることを比較してみて、官僚のままだと経済産業省の分野で20年はかかるだろうと。

政治ほうはどうだろうか、20年かかるかもしれないけど、いろいろな分野でもう少し早く進められるものがあるのではないかと、政治の方に飛び出そうと腹を決めました。

選コム:これまでの政治家としての取り組みで、力を入れてきたことはなんですか?

鈴木氏:知事時代では、2016年のG7伊勢志摩サミットですね。外務省に提出したサミットの誘致のための提案書は、なぜ三重県かという部分の冒頭は自分で書いてみました。誘致活動の時には、別で自分で作った企画書を持ってお願いしますと、直接100人近くは協力をお願いしに行きました。

サミットを誘致したあとに何を目指したかったかというと、自分の地域に誇りをもって自分たちの地域を自分たちの手でつくっていってほしいということだったんです。「俺たち努力したらやれるやん」と。そういう自信と誇りを地域の人たちに持ってほしかった。

選挙の時に掲げたキャッチフレーズは、「すごいやんか三重」なんです。自分の地域や自分の国に誇りを持ってほしい、好きになって、自信を持ってほしい。そうしたことに力を入れてきました。

選コム:そうした意味で、サミットの効果はどうでしたか?

鈴木氏:パブリシティ効果は約3000億円という数字もありましたが、1番良かったのは自分でチャンスをつかみにいこうという人が増えたことです。ひとつは日本酒。サミット後に、三重県の酒造組合全体として日本酒の国内出荷量が増加して、モンド・セレクションなどの賞を取る酒も増えました。

また、高校生で海外短期研修などの海外留学にいく数が増えたということもあります。2015年は350人台だったのですが、サミット1年後の17年は476人になった。それと、国際会議が、2016~2019年で54件になりました。

自分でチャンスを掴みにいこうという人が増えたことが数字として出たと考えています。もちろん、政治や行政だけで全部できるわけではないので、私は市民のみなさんの「自分たちの手で自分たちの街をイノベーションする」という意識が基本だと思っています。

選コム:今後どのような事を成し遂げたいですか?

鈴木氏:中曽根康弘元総理が「現実主義的理想主義」という事をおっしゃっていて、つまり理想を最初にバーンと掲げてそれに向かっていくというのではなく、そのために現実の問題解決をしていって、その結果、理想に到達するということですね。

知事の経験を活かして、現実主義的理想主義的に、個人の皆が幸せで豊かな暮らしをまず現実として実現していくことで、その結果として地域全体、国全体を理想の状態にしていく。その視点から地域が持続可能であるという視点を持った政策をしていきたい。また、首都になんでも一極集中させるのではなく、利点もリスクも地方に分散させて行かなければならないので、日本全体としてのリスクを回避するという視点からも、地方分散、一極集中是正をする政策をやっていきたいと思います。

選コム:きょうは貴重なお話をありがとうございました。

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