ロマン溢れる“高身長選手”は 令和の怪物に西武のエース、復活目指す右腕も

ロッテ・佐々木朗希(左)と西武・高橋光成【写真:荒川祐史】

ロッテには期待の“ツインタワー”も

野球ファンが求めているものは「ロマン」だ。ロマンを感じさせてくれる「恵まれた体格」と「若さ」の両方を兼ね備えた、身長190センチ以上、25歳以下で支配下登録のパ・リーグの投手とは。(以下の成績は10月14日試合終了時点)

○ロッテ・佐々木朗希投手(2年目、19歳)
190センチ、85キロ
【1軍成績】
10試合3勝2敗、57奪三振、防御率2.51
【ファーム成績】
5試合1勝0敗、19奪三振、防御率0.45

2年目を迎えた“令和の怪物”佐々木朗希は、5月16日に1軍デビューすると初登板ながら5回4失点(自責2)とまずまずのデビュー戦となった。19歳にして完成度とポテンシャルを兼ね備えた逸材だ。

○ロッテ・土居豪人投手(3年目、21歳)
191センチ、92キロ
【1軍成績】
13試合0勝0敗、9奪三振、防御率6.75
【ファーム成績】
21試合1勝1敗、17奪三振、防御率2.57

高卒3年目の今季、貴重な経験を積んだのが土居だ。松山聖陵高校から2018年ドラフト8位で入団。1年目はイースタン・リーグで防御率9点台、2年目も同5点台も、今季はオープン戦6試合で防御率0.00、被安打0と結果を残して初の開幕1軍をつかみ取った。間違いなくステップアップのシーズンとなっただろう。

○ロッテ・河村説人投手(1年目、24歳)
192センチ、87キロ
【1軍成績】
19試合4勝0敗、24奪三振、防御率3.68
【ファーム成績】
10試合2勝1敗、44奪三振、防御率1.64

河村は星槎道都大からドラフト4位で入団した今季前半、ルーキーながらブルペンの一翼を担った。5月に1軍登録を抹消されると、その後は先発として調整を進め、7月7日のソフトバンク戦でプロ初先発初勝利。制球力もあり、順調に成長すれば来季以降はローテーションの柱としても期待できる存在だ。

鷹は160キロ腕&トッププロスペクトの逸材

○ソフトバンク・杉山一樹投手(3年目、23歳)
193センチ、102キロ
【1軍成績】
14試合1勝2敗1H、25奪三振、防御率3.98
【ファーム成績】
15試合5勝2敗、64奪三振、防御率1.40

杉山は2018年ドラフト2位で入団。恵まれた体格から投げ込む150キロ台後半の直球と、鋭く縦に落ちるスライダーを駆使した、空振りの取れる投球スタイルが魅力だ。今季は開幕1軍をつかみ、4月7日の日本ハム戦では1回無失点でプロ初勝利をマーク、制球力に課題は残るが、5月11日のロッテ戦では、日本人投手として史上7人目となる160キロをマークした。

○ソフトバンク・カーター・スチュワートJr.投手(3年目、21歳)
198センチ、101キロ
【1軍成績】
11試合0勝2敗1H、36奪三振、防御率6.08
【ファーム成績】
12試合6勝1敗、55奪三振、防御率1.84

スチュワートJr.は、18年の全米ドラフトでブレーブスから1巡指名(全体8位)を受けたが契約が合意に至らず、6年契約を提示したソフトバンクでのプレーを選択した。トッププロスペクトと称された19歳は異例の契約として大いに注目を浴びた。3年目の今季、8月15日にプロ初先発すると5回無安打無失点の圧巻の投球。けん制やクイック、フィールディングなども成長が見られるなど、米国出身のダイヤの原石は、着実に福岡で磨きがかかっている。

○西武・高橋光成投手(7年目、24歳)
190センチ、105キロ
【1軍成績】
26試合11勝8敗、121奪三振、防御率3.66

高橋は前橋育英をで夏の甲子園初出場初優勝に導き、2014年ドラフト1位で入団。1年目から5勝を挙げた。エースとして期待を受けた今季は、初の開幕投手を勝利で飾ると、交流戦前まで自身5連勝の活躍。ゲン担ぎとして伸ばし続けた髪の毛も話題となった。クオリティスタート17度はチームトップを誇っている。

○西武・渡邉勇太朗投手(3年目、20歳)
191センチ91キロ
【1軍成績】
16試合3勝4敗2H、28奪三振、防御率3.86
【ファーム成績】
14試合2勝2敗、25奪三振、防御率5.29

渡邉は、浦和学院から2018年ドラフト2位で入団した地元・埼玉出身の長身右腕。3年目の今季、中継ぎで1軍舞台を踏んだ。後半戦からは先発に挑戦。プロ初先発をプロ初勝利で飾るなど、ポテンシャル抜群の地元出身右腕にかかる期待は大きい。

かつてのクローザーは手術からの復活へ

○オリックス・山崎颯一郎投手(5年目、23歳)
190センチ、90キロ
【1軍成績】
8試合1勝2敗、24奪三振、防御率4.36
【ファーム成績】
13試合1勝5敗、57奪三振、防御率3.34

高卒5年目の山崎颯は、山本由伸投手と同期入団だ。2年目のオフにはU-23W杯で最優秀防御率賞を獲得するなど将来が期待されたが、2019年8月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、オフに育成契約となった。長いリハビを経て、2020年10月に実戦復帰。同年12月に支配下復帰を勝ち取ると、2021年5月1日ソフトバンク戦でプロ初登板した。同期のエースに負けじとスター街道を歩めるか。

○日本ハム・石川直也投手(7年目、25歳)
192センチ、90キロ
今季登板なし

18年にはクローザーも務めた石川直は、将来の守護神候補として期待された。しかし、2020年夏にトミー・ジョン手術を決意。今季はリハビリに時間を充てたため、公式戦での登板はなかった驚異の奪三振能力を持つ25歳右腕は、手術を経てパワーアップした姿を見せられるだろうか。

○楽天・内星龍投手(1年目、19歳)
190センチ、88キロ
【ファーム成績】
2試合0勝0敗、0奪三振、防御率0.00

ルーキーイヤーの今季はファームで2試合の登板と、体力強化に取り組むシーズンとなった。1軍デビュー、そして憧れの山本由伸投手との投げ合い実現に向け、来季以降はファームでの実戦を重ねていきたい。

ロマン溢れる“大型”選手たち。彼らの成長曲線を楽しみに追いかけていきたい。(「パ・リーグインサイト」岩井惇)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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