北京冬季五輪を巡って注目される巨額マネーとは――。
米通信社「ブルームバーグ」は、北京五輪を前に五輪スポンサーの現状を特集。「北京五輪のスポンサーは1100億ドル(約12兆1000億円)のジレンマに直面している」と指摘した。
「このイベントは大会の最高位スポンサーにとって最も重要な市場のショーケースだ。すべての企業が中国での年間収益を開示しているわけではないが、ブルームバーグのデータと米国企業の『ストラテジーリスクス』の分析によると、上位12社のスポンサーのうち10社を合算すると年間1100億ドルをもたらしている」と五輪のスポンサーのほとんどが中国の巨大市場で莫大な収益を上げていると分析した。
本来ならば北京五輪はこの巨額マネーをさらに膨れ上がらせる絶好の機会だが、スポンサー企業には難しい判断が迫られている。
「中国以外では、政治家や人権団体が同じ企業や競合他社に、北京の新疆ウイグル自治区での少数民族への扱いを非難するために、彼らのプラットフォームを使用するように促している。少なくとも大会の外交ボイコットを要求する人もいる」と中国における人権問題が世界中で問題視されているため、スポンサーに対して北京五輪をボイコットするよう求める声も高まってきている。
そうした状況もあり「スポンサー企業にとって、北京冬季五輪はマーケティングのうえで綱渡り的な行為となるだろう」と同メディアは指摘。大会を後援することでプラス効果があるのか疑問視している。
五輪のスポンサー企業を巡っては、新型コロナ禍で開催反対の声が高まった今夏の東京五輪でも注目を集めた。再びその存在がクローズアップされそうだ。