2021年のスーパーフォーミュラ・ライツは苦い決着。名取鉄平がチャンピオン。優勝は佐藤蓮

 Buzz presents 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16戦は10月17日、栃木県のツインリンクもてぎで14周の決勝レースが行われ、1周目の3コーナーでポールポジションスタートのジュリアーノ・アレジ(Deloitte. TOM’S 320)と3番手スタートの名取鉄平(Byoubugaura B-MAX Racing 320)が接触。2台が大きく順位を落としたが、このレースの結果で名取鉄平が2021年のチャンピオンを決めた。優勝はスタートで首位に浮上した佐藤蓮(TODA FIGHTEX)となった。

 前日、ドライで行われた第15戦から一夜明け、迎えた第16戦/第17戦の決勝日となる10月17日のツインリンクもてぎは前夜から雨模様。時折雨脚も強まるなか、フルウエットで8時55分から第16戦のフォーメーションラップがスタートした。

 迎えたスタートでは、ポールポジションのジュリアーノ・アレジ(Deloitte. TOM’S 320)がわずかに蹴り出しが遅れる一方、3番手スタートの佐藤蓮(TODA FIGHTEX)が抜群の発進を決め、トップで1コーナーに入っていく。2番手スタートの名取鉄平(Byoubugaura B-MAX Racing 320)もアレジの横に並びかけ、続く3コーナーで名取がアレジのインを突いた。

 水煙のなか、そこで2台は接触があり、続く4コーナーの立ち上がりで名取が先行するも、アレジは加速が鈍ってしまう。この段階でアレジは左フロントタイヤがパンクチャーを喫しており、そのままスローダウン。チャンピオン争いはまさかの展開となっていった。

 これで上位は佐藤が首位、名取、小高一斗(Kuo カローラ中京 TOM’S 320)と続く展開に。ウエットを得意とする三宅淳詞(MAX RACING 320)が続いたが、3周目の5コーナーで河野駿佑(RS FINE K&N 320)がこれをオーバーテイク。4番手につける。

 しかし、上位争いにはさらに波乱が起きる。2番手につけていた名取は、アレジとの接触により6周目にドライブスルーペナルティが課されてしまう。さらに2台の接触で名取はフロントウイングにダメージを受けており、オレンジディスクが提示され、2周にわたるピットインを強いられ大きう順位を落としてしまった。

 一方、そんなドラマを後目にトップの佐藤はフルウエットのなか盤石の走りをみせ優勝。2位は小高、3位には河野が入った。三宅は6周目に平良響(Kuo カローラ中京 TOM’S 320)、12周目に神晴也(Byoubugaura B-MAX Racing 320)にかわされるなど少しずつ順位を落としてしまい、4位は平良、5位は神という結果に。6位に三宅という順位となった。

 そして名取は10位、アレジは12位でチェッカーを受けるという結果となり、2台はファステストラップを競い合ったが、アレジが1分57秒164でファステストラップの1ポイントを獲得した。ただ、1レースを残しこれでチャンピオン争いは決着。名取鉄平が2021年の全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権チャンピオンを獲得した。2台の王座争いはほろ苦い決着となったが、レース後、名取がTOM’Sのピットを訪れ、アレジと言葉をかわすとともに、ふたりは握手をかわした。

 マスタークラスは、今田信宏(JMS RACING with B-MAX)がリードしていたが、12周目にコースアウトを喫したか、植田正幸(MAXRACING RN320)がトップに浮上。優勝を飾った。

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権

第16戦 決勝結果

Pos M No Driver Car Name Team Laps Grid Qualify

1   2 佐藤蓮 TODA FIGHTEX TODA RACING 14 3 1’43.329

2   1 小高一斗 Kuo カローラ中京 TOM’S 320 TOM’S 14 4 1’43.452

3   35 河野駿佑 RS FINE K&N 320 RS FINE 14 6 1’43.837

4   37 平良響 Kuo カローラ中京 TOM’S 320 TOM’S 14 8 1’44.185

5

52 神晴也 Byoubugaura B-MAX Racing 320 B-MAX RACING TEAM 14 7 1’44.045

6   10 三宅淳詞 MAX RACING 320 ルーニースポーツ 14 5 1’43.711

7   30 DRAGON TEAM DRAGON B-MAX 320 B-MAX ENGINEERING 14 10 1’46.566

8 M 11 植田正幸 MAX RACING RN320 ルーニースポーツ 14 11 1’47.688

9 M 4 今田信宏 JMS RACING with B-MAX B-MAX ENGINEERING 14 9 1’45.427

10   50 名取鉄平 Byoubugaura B-MAX Racing 320 B-MAX RACING TEAM 14 2 1’43.132

11 M 51 SYUJI B-MAX ENGINEERING 320 B-MAX ENGINEERING 13 12 1’50.812

12   36 G.アレジ Deloitte. TOM’S 320 TOM’S 12 1 1’42.933

天候:雨 路面:ウエット
ファステストラップ ジュリアーノ・アレジ(Deloitte. TOM’S 320) 1’57.164 7/12
ペナルティ:No.50 2021年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権統一規則第15条 1.「危険なドライブ行為」により、ドライブスルーペナルティおよび、ペナルティポイント1点を課した。

スーパーフォーミュラ・ライツ第16戦 スタート
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16戦を制した佐藤蓮(TODA FIGHTEX)
レース後、TOM’Sのピットを訪れアレジと言葉をかわした名取鉄平
2021年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権チャンピオンを獲得した名取鉄平(Byoubugaura B-MAX Racing 320)
小高一斗(Kuo カローラ中京 TOM’S 320)
3位表彰台を獲得した河野駿佑(RS FINE K&N 320)
神晴也(Byoubugaura B-MAX Racing 320)
植田正幸(MAXRACING RN320)

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