M4のヤクルトは成果あり、巨人や中日ら苦戦… セ6球団の補強は成功したか?

阪神・矢野燿大監督、ヤクルト・高津臣吾監督、巨人・原辰徳監督(左から)【写真:荒川祐史】

優勝目前のヤクルトはオスナ、サンタナがレギュラーとして活躍

2021年のペナントレースも残りあとわずか。セ・リーグはヤクルトが優勝へのマジックを4に減らし、パ・リーグではロッテが2位でありながら、ついに51年ぶりとなるマジック7を点灯させている。優勝争いもいよいよ佳境に来ている。

新型コロナ禍で、ここまで各球団が140試合弱を消化してきた2021年シーズン。開幕前、そしてシーズン中に12球団が行った補強戦略は奏功したのだろうか。

・ヤクルト
サイスニード(13試6勝2敗0S0H 防3.41)
ホセ・オスナ(113試445打119安13本59点 .267)
ドミンゴ・サンタナ(110試350打99安18本56点 .283)
内川聖一(38試53打11安0本2点 .208)
リック・バンデンハーク(2試0勝1敗0S0H 防6.92)
田口麗斗(29試合5勝8敗0S4H 防3.98)
宮台康平(1軍登板なし)
近藤弘樹(22試0勝1敗0S11H 防0.96)
ケリン・ホセ(1軍登板なし)

優勝へのマジックを7としているヤクルトは補強に見事に成功したと言えるだろう。サイスニードは先発ローテの一角を担い、オスナとドミンゴの両助っ人もまずまずの結果を残した。さらに、楽天を戦力外となった近藤も前半戦でセットアッパーとして活躍。内川やバンデンハークは結果を残せなかったものの、今季施した補強戦略は概ね的確だったと言えるのではないだろうか。

巨人・梶谷隆幸(左)と井納翔一【写真:荒川祐史】

阪神は外国人枠の影響もあって新助っ人の出番は限られた

・阪神
加治屋蓮(7試1勝2敗0S1H 防7.94)
チェン・ウェイン(2試1勝0敗0S0H 防3.86)
ラウル・アルカンタラ(21試3勝3敗0S5H 防3.74)
メル・ロハス・ジュニア(54試170打35安8本20点 .206)
二保旭(4試1勝1敗0S0H 防5.28)
山本泰寛(66試42打8安0本3点 .190)

現在、2位でヤクルトを追いかける阪神。マルテやサンズ、スアレスといった昨季から在籍している助っ人勢が活躍した一方で、オフやシーズン中にチームに加わった新戦力はそれほど貢献はできなかった。チェンは2試合の登板止まり。アルカンタラは後半戦にはリリーフとして戦力となったが、ロハス・ジュニアとともに、外国人枠の影響もあって出番は限られていた。

・巨人
井納翔一(5試0勝1敗0S0H 防14.40)
梶谷隆幸(61試227打64安4本23点 .282)
ジャスティン・スモーク(34試114打31安7本14点 .272)
エリック・テームズ(1試2打0安0本0点 .000)
廣岡大志(75試97打17安3本9点 .175)
山口俊(14試2勝8敗0S0H 防3.56)
スコット・ハイネマン(10試25打数4安0本2点 .160)
中田翔(30試80打12安3本17点 .150)

3位で連覇の可能性がなくなった巨人はオフの補強が結果に結び付かなかった。梶谷は負傷で離脱、井納はここまで1勝もできていない。テームズは開幕直後に大怪我を負い、スモークは家族が来日できないことを理由に帰国して退団。代役として補強したハイネマンも10試合の出場に終わった。ジャイアンツからFAとなり加入した山口はローテの一角を担うも2勝8敗。日本ハムから獲得した中田も打率1割台に沈んでいる。

中日・福留孝介【写真:小西亮】

下位に沈む広島、中日、DeNAは成果が乏しい結果に…

・広島
カイル・バード(30試合0勝0敗0S10H 防4.87)
ドビーダス・ネバラスカス(1試0勝1敗0S0H 防10.13)
ケビン・クロン(42試130打30安6本16点 .231)
ロベルト・コルニエル(48試0勝2敗0S10H 防3.99)

広島も補強に苦しんだチームだろう。4人の新助っ人をチームに加えたものの、目を見張るほどの結果を残せてはいない。戦力となったのはリリーフとして48試合に登板しているコルニエル、30試合に登板しているバードくらいか。昨季から在籍する助っ人たちも苦戦し、チームの低迷の1つの要因となった。

・中日
福留孝介(91試193打42安4本18点 .218)
ランディ・ロサリオ(9試0勝0敗0S0H 3.00)
マイク・ガーバー(12試45打数7安0本1点 .269)
山下斐紹(5試10打1安0本0点 .100)
加藤翔平(52試106打22安1本2点 .208)

中日の補強戦略も実を結ばなかったと言えるだろう。球界最年長選手の福留は流石の勝負強さを発揮したものの、ロサリオ、ガーバーという新外国人はチームに貢献できず。以前からチームに在籍するビシエドやライデル・マルティネス、アリエル・マルティネスといった外国人は結果を残した一方で、新戦力で上乗せができなかった。

・DeNA
田中俊太(55試46打7安0本8点 .152)
風張蓮(5試0勝0敗0S0H 防7.71)
フェルナンド・ロメロ(13試4勝3敗0S0H 防3.18)
ケビン・シャッケルフォード(30試1勝0敗1S4H 防5.34)
有吉優樹(1試0勝1敗0S0H 防2.70)
宮國椋丞(3試1勝1敗0S0H 防6.19)

ソトやオースティンといった昨季から在籍している助っ人が今季も存在感を発揮したDeNA。その一方で、新戦力はなかなか結果を出せなかった。ロメロは先発として4勝をマーク、シャッケルフォードもリリーフとして30試合に登板しているものの、不可欠な戦力だったとは言えず。なかなか戦力の上積みを補強で作ることができなかった。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2