人類初!宇宙女優映画にUFOが無料出演? 国際宇宙ステーション12日間ロケのシナリオ推測

宇宙から帰還したペレシルド(ロイター)

国際宇宙ステーション(ISS)に12日間滞在し、宇宙で初めての映画撮影に臨んだロシアの女優ユリア・ペレシルドとクリム・シペンコ監督が17日、帰還した。ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモスが発表した。12月には衣料品通販大手ZOZO創業者の前澤友作氏(45)が日本人初の民間人としてのISS滞在を目指す。今年は選ばれた宇宙飛行士でなくとも、民間人が宇宙に行ける“宇宙時代”元年となりそうだ。それにしても、スタジオで撮影できるものをなぜ宇宙にまで行って撮影したのか。専門家が分析した。

撮影が行われたのは、宇宙空間で意識を失った飛行士を救出する女性医師の物語「挑戦」(仮題)。中央アジアのカザフスタンに着陸後、ペレシルドはテレビのインタビューに「気分は良い」と笑顔を見せた。12日間の滞在が終わり「少し悲しい。お別れしたくなかった」と残念がった。

2人は今月5日、ロシア人宇宙飛行士と共にソユーズ宇宙船で出発。ISS到着後には星出彰彦飛行士らと並ぶ写真が公開された。

ペレシルドはISS滞在中、テレビ番組に出演し「地球が見える!」と感動を伝えた。ロシアで開かれた女性活躍に関する国際会議にも参加し「私たち女性は何でもできる」と強調した。

映画はロスコスモスと政府系テレビ「第1チャンネル」などとの共同製作。米俳優トム・クルーズも米航空宇宙局(NASA)の協力を受け、ISSでの映画撮影を計画している。

撮影中、問題がなかったわけではない。複数の海外メディアによると、5日にソユーズがISSに到着した際、自動ドッキングシステムが故障し、手動制御に切り替えたという。また、16日にはドッキング中のソユーズのスラスター(推進システム)が誤噴射し、ISS全体が傾いたという。これらは映画のシナリオではなく、本当のハプニングだったため、映画にどう盛り込まれるかも見ものだ。

宇宙飛行士はみんなUFOを見ているが、“プロ”には守秘義務があるという都市伝説がある。民間人がどんどん宇宙に行くようになると、UFOを見て、それをしゃべってしまうかもしれない。

新著「宇宙人革命」を近日、刊行するUFO研究家の竹本良氏はこう語る。

「世界軍事競争下では宇宙開発は常に国家戦略の一環としてなされてきました。共産主義や社会主義国家ではロケットや人工衛星は軍事機密であり、また資本主義の米国ですらNASAは米軍基地と隣接していました。だが、イーロン・マスクのスペースXのように、民間会社がむしろ米軍にスターリンク衛星を供給する形になると、契約(がある)とはいえ、UFOや宇宙人情報の漏えいは避けられないでしょう」

それどころか、今回はフィルムに写り込んでいるかもしれない。

「映画ともなると、UFO撮影は隠蔽情報ではなく、むしろ想定内のシナリオに組み込まれているのではないか?と勘ぐりたくなります。というのは単に宇宙空間で意識を失う飛行士を女性医師が救出するだけの話ならば、映画『カプリコンワン』のようなスタジオ撮影で十分なのです」と竹本氏。

実際、英BBCによると、「すべてが地球のスタジオで撮影されたと考える陰謀論者の声を否定するため」に、ISSの公式ツイッターでは無重力でペレシルドの髪がふわふわしている動画を公開している。

スタジオやCGで無重力状態の様子を撮影することができるのに、あえて宇宙空間で映画撮影する意味とは何か?

竹本氏は「ISSの窓もそう大きくはなく、内部から窓越し撮影は思ったより絵にならないでしょう。それでも、万が一、UFOが写っていたら…。宇宙空間で乱舞するUFOがちょっとでも撮影できていたならば、興行は大成功を収めるに違いありません」と指摘している。

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