〝どえらいモン〟すぎる偽モン大集合!「図鑑にしちゃいました」著者を直撃

収集家・いんちき番長氏を直撃(東スポWeb)

中国政府は先日、知的財産権の保護を強化する15か年戦略を発表した。関連法の整備や知財分野の国際協力を進め、環太平洋連携協定(TPP)への加入を実現しようというわけだ。特許、商標、著作権を保護する法律を改正して取り締まりを強化する。ただ現在の中国では、日本の人気アニメのニセグッズを続々と生み出し世界中に輸出している。一方、そんないんちきグッズを集めた本が話題になっている。

中国政府は、日本の人気アニメのニセグッズや違法コピーDVDなどへの取り締まりを強化している。それでも民間の工場でこっそりつくられているものをすべて取り締まることは不可能で、著作権無視の商品が世界中にばらまかれている。また、アジア各国でもニセグッズを生み出している。

そんな中、とてもキッチュな本が発売された。タイトルは「どえらいモン大図鑑」(パブリブ)。中国やアジア圏内でつくられている、“青いネコ型ロボット”似のおもちゃを集めた本だ。

例えば、「多啦A夢公仔(ドラえもん人形)」という名前のフィギュア。顔面はヤクザ風のオッサンであり、たばこをくわえている。眼光鋭く、子供向けにつくられたものとは思えない。「Doraenon(ドラえのん?)」は似ているが、よく見るとちょっと違う。なぜかセグウェイみたいなものに乗っている。「DOREMON(どれもん?)」も奇妙だ。他にアニメ「ドラゴンボール」や「ワンピース」の主人公と合体したようなものがある。もちろんほとんどが著作権無視。でも、面白い。

パブリブのハマザキカク氏はこう語る。「この企画は“いんちき番長”さんが考えついたものです。世界中で売られている“いんちきおもちゃ”を収集している収集家のいんちき番長さんが、いんちきなキャラクター商品となっているドラえもんを集めて『どえらいモン大図鑑』という書名で出すことを思いつきました。どえらい本になっていると思います」

いんちき番長氏は以前、パブリブから「いんちきおもちゃ大図鑑」シリーズを出版している。

いんちき番長氏は「いんちきおもちゃを収集し始めたのは、高校卒業後に行った香港がきっかけです。本来の目的は、日本未発売の変形ロボット玩具などを買うことだったんですが、現地でお目当てのロボット玩具以外にも面白いフィギュアなどを見つけました。実はそれが、いんちきだと知って興味を持ったんです」と話す。子供のころには駄菓子屋に通って「キン肉マン」ならぬ「ブタ肉マン」、「なめんなよ」ならぬ「なめるなよ」なども買っていたという。
「この本は海外だけでなく、日本も含めた、いんちきなネコ型ロボットを集めた本になっています。こんな本、他にないですよね」

また、共著者の加藤アングラ氏も風変わりなおもちゃを集めている収集家だ。加藤氏が「これらのキャラクター商品は、当地では本当に人気があるくらい“どえらいもん”なんですよ」と笑うように、これらのニセ商品が発売されている国では、子供から大人まで人気があるという。意外な面白さを楽しめる本だ。

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