【柔道】男子代表・鈴木新監督〝デビュー戦〟で重量級に危機感「稽古が自己満足になっているのでは」

オンラインで取材に応じた男子代表の鈴木監督(東スポWeb)

柔道のグランドスラム(GS)パリ大会から帰国した男子代表の鈴木桂治監督(41)が19日、オンラインで取材に応じた。

東京五輪後初の国際大会となった今回は、鈴木監督の〝デビュー戦〟となった。日本は五輪代表が出場していない中、4人が優勝したが、100キロ超級の佐藤和哉(26=日本製鉄)と小川雄勢(25=パーク24)、100キロ級の飯田健太郎(23=旭化成)が初戦だった2回戦で敗退。鈴木監督は「いい選手と悪い選手がはっきりしていた」と切り出すと「まったくもって実感のない大会になってしまった。選手それぞれ悔しい思いがあると思うが、私が言っていた世界で勝つというテーマは少しまだ遠いなと」と振り返った。

不本意な結果に終わった要因について、鈴木監督は「軽量級との大きな違いは稽古対象となる選手が非常に限られてくること。限られた環境で技術や体力を磨いていくことが大事だが、海外に出られず詰めた稽古ができていないと試合を見て感じた。国内で自己満足になっているのでは」と指摘。

今後は海外選手との経験値を増やすべく「可能な限り海外の派遣をしていきたい」。新型コロナの影響で各国の受け入れ状況も変化しそうだが「(全柔連の)医科学委員会の方々の意見も聞きながら、一本でも多く海外選手と組み合う時間を多くとりたい。これを急がないと、特に重量級に関しては非常に厳しい」と危機感をあらわにした。

五輪ではウルフ・アロン(了徳寺大職)が金メダルを獲得したが、3年後に向けては楽観できる状況ではない。自身も2004年アテネ五輪100キロ超級で頂点に立っているだけに、鈴木監督の手腕に期待がかかる。

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