避難指示を一部解除、7カ月半ぶり、県道西側5世帯11人、糸魚川市来海沢地滑り災害

 3月4日に発生した糸魚川市来海沢地区の地滑り災害で、発生以降、避難指示が継続していた県道上町屋釜沢糸魚川線の西側地域について、市は20日正午、避難指示を一部解除した。市は同日、ビーチホールまがたまで住民説明会を実施し、地元住民、関係者の理解を得て決定した。

来海沢地区の地滑り災害について、避難指示の一部解除が決定した住民説明会。併せて、県道の通行規制も解除された(日、ビーチホールまがたま)

 避難指示が一部解除されたのは、県道西側地域の7世帯17人のうち5世帯11人。発生から7カ月半ぶり。2世帯6人は継続される。県道東側地域の12世帯14人は4月3日に解除されていた。

 県糸魚川地域振興局が19日、県専門家会議の結果を市に説明。その内容を踏まえ米田徹市長が、住民合意を前提に解除を決定した。

 解除理由は、(1)危害の恐れがある土地の範囲を確認した(2)冬期も含め、警戒避難に関する観測機器が配備されている(3)気象情報等に基づく避難体制を整備している(4)水道等の生活インフラが復旧しているの4点。

 説明会では、県が対策工事の進ちょくなどを報告。市は今後も土砂流出のリスクはあり適切な避難行動を取る必要があること、融雪期に再度、避難指示が発令される可能性などを確認した上で、市長代理の井川賢一副市長が決定を伝えた。

 神喰重信区長は「大きなステップ。西側の皆さんにとっては長かったと思う」と話し、関係者の尽力に感謝。一方で一時避難が繰り返される東側を含め「まだ安心ということにはならない」とし、本格復旧を願った。

 市営住宅に家族3人で避難している女性(47)は、自宅が避難解除となり「一歩前進で喜んでいる」と安堵(あんど)。ただ再度の避難指示、除雪等には不安があるため、来春まで避難を続ける。

 解除されなかった男性(78)は「危険な場所なので仕方ない。もうしばらく我慢する」。一家5人は解除まで、市営住宅で避難生活を続ける。

県道規制も解除

 避難指示解除に併せて同日午前11時30分、県道上町屋釜沢糸魚川線・御前山―来海沢間の全面通行止めが解除された。同日、御前山・市野々地区住民や関係者に説明された。来海沢地区内の約1キロについては、午後5時から午前7時まで夜間通行止めになる。除雪は通年通りに行う。

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