W杯隔年開催案巡りFIFA分裂危機…欧州で「脱退」チラつかせ反対の動きが激化

FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長(ロイター)

サッカーW杯の隔年開催案を巡って、国際サッカー連盟(FIFA)が分裂危機だ。

FIFAは現在4年に1回の開催となっているW杯を2年に1回へ頻度を増やす計画を推し進めている。2026年からの変更を目指し、12月には理事会で決議する見通しとなった。しかし、欧州で反対の動きが激化。英紙「サン」は「2年ごとのW杯開催案を巡る争いがこじれ、欧州で最大15の国々がFIFAを脱退すると脅し始めた」と分裂の動きを報じた。

FIFA脱退を検討しているのは「デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フェロー諸島など北欧ブロックが含まれる」とみられるが、今後はさらに拡大する見通しだ。さらに英紙「インデペンデント」は「UEFA(欧州サッカー連盟)のチェフェリン会長は隔年開催案が進めば、欧州諸国がW杯をボイコットする可能性があると述べている」と報道。UEFAも隔年開催には猛反対しており、欧州各国がFIFAを脱退した上でUEFA主催の〝新W杯〟をぶち上げる可能性まで出てきた。

もちろん日本にとっても人ごとではない。アジアサッカー連盟(AFC)は隔年案を後押ししているが、日本代表の森保一監督は19日に「メリットもデメリットも両方ある。本当にしっかり考えないといけない。まだどちらがいいかは言えない」と語り、日本は立場を決めかねている。FIFAが隔年開催案を強行すれば、世界のサッカー界は大混乱に陥りそうだ。

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