平和への願い 紙灯籠に 国内外の子どもが制作 長崎・爆心地公園そば

世界各地の子どもたちが制作した紙灯籠を流す学生ら=長崎市、下の川

 国際奉仕団体キワニスクラブの学生組織「サークルK長崎大学」が18日夜、長崎市松山町の爆心地公園そばを流れる下の川に、本県や世界各地の子どもらが作った187個の紙灯籠を流した。カラフルに描かれた虹や草花などの絵、「peace」や「愛」といった言葉が淡い光に照らされ、参加者約50人はそれぞれに平和な世界を願った。
 サークルK長崎大学は同大の学生ボランティア団体「ながさき海援隊」が母体となり、2019年に同クラブの認証を受け発足。灯籠流しイベントは初開催で、長崎市が本年度創設した「平和の文化」事業認定制度にも認められた。
 紙灯籠の絵やメッセージの制作は、世界各地にある同クラブの学生組織を通じて依頼。アメリカやキューバ、パレスチナ、ベルギーなどの子どもたちの他、県内では純心中高や活水中高の生徒、長崎大学生も描いた。当初は8月にイベントを実施する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大のため2回延期していた。
 参加者はライトを入れた紙灯籠を川に浮かべ、穏やかな水面に映る淡い光を見詰めたり写真を撮ったりして世界平和を祈った。サークルK長崎大学代表で同大3年の山里舞さん(20)は「パレスチナのガザ地区など大変な状況にある子どもたちも平和を祈る絵を送ってくれた。被爆地長崎と世界、それぞれの平和への思いを一緒に流すことに大きな意味があるのでは」と語った。

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