ダルビッシュも絶賛!阪神・坂本が梅野から〝正妻〟強奪 虎OBからも「CSで使うべき」

絶好調の坂本(東スポWeb)

阪神は21日の中日戦(甲子園)に6―1で快勝。首位・ヤクルトに0・5ゲーム差と肉薄し、奇跡の逆転優勝へ望みをつないだ。8戦連続のスタメンマスクとなった坂本誠志郎捕手(27)の好リードもあり、先発・高橋が8回無失点の好投で4勝目。正捕手・梅野が攻守に精彩を欠く中、出場機会をつかみとった坂本の存在感は今やチーム内外でも急上昇。レギュラーシーズン終了後の「CS、日本シリーズも梅野ではなく坂本に扇の要を任せるべき」との声も出てきた――。

高橋をリードし、中日打線をほぼ完全に封じ込んだ坂本は「中日には若い選手も多く、早打ちのイメージがあった。早いカウントから空振りをとりにいくか、打たせてとるか、その点は意識して(試合前から)遥人と話していた」と試合後、手応えを口にした。

7回1安打無失点だった前戦の巨人戦(14日、東京ドーム)に続きバッテリーを組んだ高橋本人も「坂本さんが引っ張ってくれて様々なボールを使いながら抑えることができました」と女房役へ感謝の言葉を並べる。9回のマウンドに上がる直前に身体の異変を訴え緊急降板した点は心配だが、今秋の一軍復帰以降、6試合に登板し防御率1・98と〝無双モード〟を続ける左腕の存在は頼もしいの一言に尽きる。

3年連続でゴールデン・グラブ賞に輝き、東京五輪日本代表にも選出された梅野がチーム不動の正妻であることは誰もが認める事実。だが、その梅野の〝2号〟に長く甘んじてきた背番号12も自身の真価を徐々に証明しつつある。ダルビッシュ(米パドレス)もツイッターで名指しして称賛したフレーミング技術の高さに加え、投手の持ち味を存分に引き出すリードも絶好調。坂本がスタメン出場した直近8試合のチーム総失点は僅かに9。この日は3打数1安打と打撃面でも一定の結果を残した。

球団OBも「坂本は投手の調子を見ながらしっかりとリードできている。特に見事だったのは2戦とも無失点に抑え込んだ19、20日のヤクルト戦(甲子園)。相手主砲の村上(2戦合計6打数無安打)にはインコースを効果的に使いながら『打てないところ』をうまく攻めていた」と坂本を高く評価。その上で「11月以降もCSなどの戦いが続くが、坂本を使うべきだと思うし、矢野監督もそうするだろうね。総合力の高さなら梅野の方が上だけど、今の梅野は心身の疲労からかリードもバッティングも雑になっている印象。いろいろ考えることも多い時期だろうし、頭がグチャグチャになってしまってるのでは」。

日本シリーズ進出をかけCSでの再度の激突が不可避な相手・ヤクルトを、シーズン最終盤で見事に抑え込んだという点では坂本にアドバンテージがあるようにもみえる。来月以降も続くであろう虎の扇の要をめぐる争いに注目したい。

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