「このままでは雅楽は滅亡」東儀秀樹がユーチューブで切実訴え 署名活動の協力募る

東儀秀樹(東スポWeb)

「このままでは滅亡してしまいます」

雅楽師の東儀秀樹が自身のユーチューブチャンネルで、雅楽の危機的状況を訴えている。

19日に「雅楽の歴史的危機! 篳篥のヨシに関する署名のお願い」と題した動画で、雅楽演奏で使う篳篥(ひちりき)という楽器を紹介。篳篥は本体部と吹く部分(リード)で出来ており、このリードに使われるヨシ(蘆)がコロナ禍の影響で採れなくなってきているといる。

東儀いわく「篳篥のリードには、大阪府高槻市の鵜殿の蘆原で採れたヨシを使うというのが習わし」とのこと。生育を促すには鵜殿の蘆原焼きが生命線となっているが、コロナ禍で2年連続実行されず、篳篥に適したヨシが育っていないという。

東儀は動画で「このままほっとくと(ヨシが)採れなくなります。再生もできなくなります。雅楽は千数百年以上もの歴史を持つ、世界最古のオーケストラだと言われています。今日本にしかないこの雅楽の文化、これを守る。それは日本人の大きな責任と誇りを象徴するものだと思っています」と神妙な面持ちでコメント。

東儀は高槻市に蘆原焼きを実行してもらうための署名活動を行っており「3年連続で蘆原焼きが行われないと全滅してしまいます。(中略)このままでは、千年以上続いた雅楽の文化がこの世代で滅亡してしまうという危機に直面しているわけなんです。これを食い止めて、後世にこの文化を遺していかなければいけないと思っています」と述べ、視聴者に協力を仰いだ。

署名活動の1次締め切りは10月29日。

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