中日OB・宇野勝氏が “立浪新政権” を想察「大型トレードも躊躇なくやるのでは」

その手腕に期待がかかる立浪氏(東スポWeb)

【宇野勝 フルスイングの掟】中日の次期監督就任が確実となっている立浪和義氏(52)の来季采配が、今から楽しみだ。今季限りで退任する与田監督ははっきり言って優しすぎた。選手を信頼することはもちろん大事だが、もっと厳しく接することも必要だったのでは。

立浪氏はドラゴンズ応援番組で「負けてるときに笑っている選手がいる。考えられない」と苦言を呈していたが、その通り。優勝経験を持つ星野監督、落合監督はタイプこそ違ったが、ベンチには常に緊張感が走っていた。立浪氏も選手の気が緩んでいたら、ビシッと厳しく言える人間。それは怒鳴るとか、そういうことではなく、結果が出なければ、ベテランだろうが容赦なくファームに落とす。一、二軍の入れ替えをしっかり敢行し、厳しさをきっちり態度で示していくだろう。

大型トレードも躊躇(ちゅうちょ)なくやるのではないか。過去にはロッテから落合さんとのトレード(中日からは牛島、平沼、桑田、上川)があったが、そういう主力だろうがいつどうなるか分からないというピリピリとした雰囲気を出していくと思う。

中日の投手陣は12球団トップのチーム防御率3・23を誇るが、問題は誰がどう見ても貧打だ。名球会入りし通算二塁打記録などを持つ3代目ミスタードラゴンズが、得点能力をどうやってあげていくか、その手腕に期待したい。若手では来季は石川昂、根尾も急成長する可能性は十分ある。

あと注文をつけるならスモールベースボールは見たくない。今のプロ野球はずっと50年ぐらい変わってないのでは。ノーアウトから走者が出れば、判で押したように送りバント、先発ローテが中6日とか…。そうではなく、どんどん攻撃的に仕掛けていって、ローテは中5日とかでいい。とにかくパワー野球を見せてほしい。

来季就任予定の落合、大塚両一軍投手コーチらピッチングスタッフはそろっている。野手陣さえ、集中的に鍛え上げれば、今季たとえ最下位になろうと来季の立浪竜の就任1年目Vは十分あるとみている。(本紙評論家)

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