【スピードスケート】「長野愛」強い小平奈緒 北京五輪の活躍で地元から “王国復活” の期待

女子500メートルで7連覇と、調子は上々の小平奈緒(写真:アフロスポーツ/JSF)

スピードスケートで平昌五輪女子500メートル金メダルの小平奈緒(35=相沢病院)の躍動に、地元の長野では〝救世主〟として期待する声が高まっている。

来冬の北京五輪シーズン初戦となった全日本距離別選手権初日(22日、長野・エムウェーブ)の500メートルに出場した小平は、同走の高木美帆(日体大職)に0秒07差で逃げ切り、37秒58の好タイムをマーク。7年連続12度目の優勝を果たし「ベクトルが上向きで、これからどんどんタイムが上がっていきそうだなと思う」と手応えを口にした。

長野で生まれ育ち、現在も長野を拠点とする小平は、かねて地元の魅力をSNSなどで積極的に発信してきた。一昨年の台風19号で長野が被災した際には、ボランティアにも参加。さまざまな形で地元と関わってきたことから、地元関係者は「平昌五輪は本当に盛り上がった。もう1回五輪で勝って、もう一度盛り上がりたい」と声をはずませた。

ただ、別の地元関係者は「昔はスピードスケートが盛んだったが、今は競技人口が減っている。屋内リンクも減って、北信地方(長野北部)に2つしか残っていない」と頭を悩ます。王国復活には地元選手の活躍が必要不可欠。だからこそ「小平さんが五輪に出るとやっぱり盛り上がるから、頑張ってほしい」と切に願う。

小平も幼少期から、仲間たちと切磋琢磨しながら心技体を磨いてきた。地元の後輩に伝統を引き継ぐべく、北京五輪でスピードスケートの魅力を再発信する。

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