〈上越市長選〉上越市長選24日告示 新人2氏一騎打ちへ

 

 任期満了に伴う上越市長選挙は24日、告示される。現職の村山秀幸氏(73)が今期限りでの退任を示す中で、立候補を表明している元市議の中川幹太氏(46)、前副市長の野澤朗氏(64)の新人2人による一騎打ちとなる公算が大きい。人口減少・少子高齢化に加え、新型コロナウイルス感染症対応が大きな課題となる難しい社会状況の中で、向こう4年間の市政のかじ取りを誰に託すか。衆院選、同市議補選も含め31日投開票の「トリプル選挙」の幕が上がる。

【市長選立候補者】右から届け出順。中川幹太氏、野澤朗氏

 2度目の挑戦となる中川氏は、4年前の市長選で村山氏に惜敗した直後から再挑戦の意欲を示し、昨年7月に正式に表明。前回同様に特定の政党や業界からの支援は受けず、市内各地でのあいさつ回りを軸に、草の根的な活動を展開している。

 スローガンは「ふるさとを愛そう!~上越市を変えよう~」。市議時代や前回選からの経験を基に、地域分権、予防介護・医療の推進、歴史文化を生かした「通年観光」などを掲げ、「各地域が主役の自治」を訴える。

 初挑戦の野澤氏は、今年5月に副市長を辞職し、準備に入った。課題とする知名度不足の解消も図るため、自民党や企業、8割近い上越市議が名を連ねる支援議員団などと組織戦を展開。村山氏からの支持も受けている。

 「さぁ進もう。新しい上越市へ」を掲げ、14市町村合併時の担当課長として「バランス良い成長」を重視。感染症対策で10億円規模の補正予算、プログラミング小中一貫校の設置などを公約に挙げ、「対話と納得」の市政運営をアピールする。

 同市の有権者数(選挙人名簿登録者数)は、9月1日現在で15万9194人(男性7万7667人、女性8万1527人)。

◇出馬断念も存在感 元職の動向に注目

 今回市長選では立候補予定者2氏の他、元職で現市議の宮越馨氏(80)の動向が注目され、存在感を放った。

 宮越氏はかねて立候補を模索。9月20日の立候補予定者説明会には関係者が出席し、同24日の市議会9月定例会一般質問では出馬への含みを持たせる発言もあったが、最終的には「家族の理解が得られなかった」ことなどを理由に断念。一方で、中川氏と政策協定を結んだ。

 今月8日に会見し、不出馬の意向と合わせ、政策協定の趣旨を説明。「若い政治家を育てながら、力強く歩んでいける態勢を取るために全力を傾注したい」などと話した。

 現在は、自身の支持者らに中川氏支援を働き掛ける。16日の中川氏の総決起集会では応援弁士を務め、会場を沸かせた。一方、9日の野澤氏の総決起大会では内山米六後援会長が、政策協定を「野合」と批判。逆に陣営の士気が高まった。昨春の市議選でトップ当選した宮越氏の動きが互いの得票にどう影響するか、注目される。

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