韓国の電車9.5%が故障抱えたまま3年間走行... 日本製計器に問題、最悪電車過熱

韓国の電車の約1割が、変圧器に関連する故障を抱えたまま3年間走ってきたことが判明した。変圧器に取り付けられた計測器に異常があったが、同計測機は日本産だった。この問題が報道されるや、これまで問題視していなかった韓国鉄道会社がペナルティの導入などに動き出している。同計測機の責任に言及する声も出た。

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韓国YTNが23日に単独スクープしたところによると、韓国鉄道公社(KORAIL)が全国で運用する電車325車両のうち9.5%に該当する31車両において、このような故障を抱えたまま3年間も走行していたことが分かった。

問題となった部品は油類計測器であり、電車の過熱を防止する安全装置の一つである。YTNは「電車に供給される高圧電流を運行に必要な電圧に変換する変圧器に過負荷がかかることを防ぐためのオイル、いわゆる絶縁油が正しく回っているかを示す」計器であると説明した。

YTNの当該報道キャプション

YTNはメーカー名こそ言及しなかったものの、放送で映し出された同計器の映像からは兵田計器のブランドロゴと「MADE IN JAPAN」の刻印がはっきりと確認された。

YTNの説明によると、「正常であれば針が《稼働(RUN)》を指したまま微動もしない」のはずだが、しかし一部の電車では3年前からこの針が休む間もなく震える症状が現れていたという。

YTNは専門家も交えKORAILの試験場でこの問題を改めて確認したところ、やはり同じ症状が現れた様子も報じた。

このような欠陥は電車の安全性の問題につながる可能性があるとYTNは指摘し、「絶縁油が循環しないと、これらの中にずっと負荷が生じて、その熱が正しく冷却されず変圧器が過熱する可能性がある。最悪は…」とするチャン・ドンウク韓国鉄道研究院博士の分析を伝えた。

計測器を映し出すYTN報道キャプション/下側部分に「MADE IN JAPAN」の文字が

一見、この日本製計測器に問題があるような印象を持つが、YTNの取材では、計測器ではなく、これが取り付けられた変圧器に問題があるとの見方を伝えている。変圧器を造った現代自動車グループ傘下の「現代ロテム」だ。

YTNによると、現代ロテムは当初からこの欠陥の事実を知っていたことを認めたが、問題にはならないと判断していたという。しかし、YTNの指摘が出るや、前言を翻しリコールに乗り出したと伝えられる。

一方で、現代ロテムに変圧器を納入した下請け業者が別におり、この業者はYTNの取材に対し抗弁。「他のメーカーが供給した油類インジケータ自体に問題であった」と述べているが、YTNはこれについて「責任を転嫁している」と分析した。

YTNの当該報道キャプション

YTNは欠陥を当初から知りつつもこれを問題視しなかった現代ロテムと、これに3年間も気づいていなかKORAILの管理不足について批判的に伝えている。KORAILは現代ロテムにペナルティを科す方向だ。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「これこそが報道だ」

「国民の安全に責任を持つべき所がこのように腐っているとは。関係者を処罰しよう」

「…安全不感症がひどい」

「利用客、すなわち国民の安全より事実隠蔽に汲々とするKORAIL関係者たち、貴方達は本当に正気か?」

「自動車の部品に問題があるなんて運転者が分かるわけがない。電車も同じだろ?」

「KORAILの職位別給料を調べるべき…落下傘(天下り)がほとんど持っていくのだろうが」

「日本からシステムを学んでも操作を韓国人がするからうまくいかない。日本ではありえないこと。こういう面では親日の方が良いのでは」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

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