高齢者の移動を地域で支援 串間で座談会通じ協議

地区内の要移動支援者の情報を地図上に書き込むチーム本城メンバーら

 串間市本城地区の地域連携組織「まちづくり協議会『チーム本城』」(鎌田芳徳会長)は18日、高齢者の移動手段確保に向けた第1回座談会を同市の本城ふれあいセンターで開いた。自動車免許を持たないなど自由に買い物や通院ができない住民のニーズを把握し、自家用車などを使った、地域の助け合いによる輸送システムを検討していく。
 県の「中山間地域移動手段確保支援事業」を活用。同市では市コミュニティーバス「よかバス」を2008年度から運行。しかし、各地区を通る「集落線」は、週1、2回の運行にとどまる。
 18日はチーム本城、市社会福祉協議会から約10人が参加。地区内に手助けを必要とする「要移動支援者」がどの程度存在するか確認するためのマップ作りを実施。参加者が地図上に住民の年齢や運転免許の有無を書き込み、支援の優先度順で色分けなども行った。
 今後は、要移動支援者宅でのヒアリングによる実態調査や、先行地視察を実施。(1)運転手に対価を支払うのか(2)車の運行形態が地域に適しているか―などを話し合う5回程度の座談会を開き、年度内に方向性を決定する。
 鎌田会長(74)は「地区内高齢者には移動手段が少なく困っている人もいる。地域で輸送システムを構築していきたい」と話した。
 県内では本年度、延岡市北方町の笠下地区でも同様の取り組みが行われている。

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