修学旅行生を対象 龍踊(じゃおどり)体験プログラム再開

声を掛け合いながら龍踊を披露する児童ら=長崎市銅座町、新地橋広場

 修学旅行生らを対象に、龍踊(じゃおどり)の体験学習プログラムを提供するイベント会社「ぜっと屋」(長崎市伊良林1丁目)。新型コロナ禍前は年間約60校が訪れたが、今年3月以降はゼロ。全国的に感染状況が一定落ち着いてきたため、今月中旬、約8カ月ぶりに福岡県の小学生を受け入れた。
 河野謙代表(67)によると、体験したのは福岡市立日佐小(久田照美校長、445人)の6年生75人。長崎の伝統文化に触れ、児童のチームワークを養おうと14日に参加した。
 児童らは、龍を操る龍衆と囃子方(はやしかた)に分かれ、長崎市元船町の屋上庭園「ドラゴンプロムナード」で約2時間練習。布と鉄パイプで作られた「稽古龍」を持ち、棒の持ち方や傾け方、「玉探し」など一連の動きを習った。銅鑼(どら)など楽器の演奏方法の指導も受け、真剣な面持ちで練習に取り組んだ。
 初めての体験に悪戦苦闘しながらも、夕方には新地橋広場で市民らに練習の成果を披露。「せーの」などと声を掛け合いながら、全長18メートルの青龍と白龍を懸命に操って演技すると、観衆から大きな拍手が起こった。囃子方も迫力のある音色を響かせた。
 龍頭を担当した早川遼さん(12)は「最初は(龍が重く)大丈夫か不安だったが、みんなで息を合わせて披露でき、よかった」と笑顔。河野代表は「久しぶりに子どもたちの生き生きとした表情を見ることができた。再開できて良かった」と話した。

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