スーパーGTの新型コロナウイルス対策の今後は。第7戦もてぎでは実証実験の依頼も

 10月24日、スーパーGT第6戦が開催されているオートポリスで、シリーズをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表は、2020年から続く新型コロナウイルス感染拡大の影響について、“第5波”が収束しつつあるいま、今後どう観客動員等を増やしていくかなどについて触れた。

 2020年初頭の新型コロナウイルスの感染拡大以降、スーパーGTでは独自のガイドラインとロードマップを示し、日本国内のモータースポーツ界でも最も厳格とも言える対策を行ってきた。2020年は開催サーキットを富士、鈴鹿、もてぎの3カ所に絞り、シーズン途中からはパドックに入場する全員へのPCR検査の実施など、新型コロナウイルス陽性者を出さない努力を続けてきた。

 そんななか、日本国内の感染拡大状況は10月以降急速に収束。緊急事態宣言は解除され、イベント等でも入場者の制限がなくされていく方向になっているが、スーパーGTの今後について、坂東代表は11月6〜7日の第7戦ツインリンクもてぎについて、「1席飛ばしのスタンドで、入場者最大1万人で考えている。政府が完全に規制を撤廃するとしても、第7戦もてぎについては、今のところ変えるつもりはない」とすでに券売が進んでいる状況下のなかで解除を進める予定はなく、従来どおりガイドラインに従い、パドック入場者については全員PCR検査を行うとした。

 またこれに加え、スポーツ庁から現在プロ野球やサッカーJリーグでも一部試合で行われている、ワクチンの2回接種、PCR検査の陰性証明等を示した人を対象に追加で観客を動員する実証実験の依頼が第7戦もてぎ、また全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦鈴鹿について来ているという。現状では、スーパーGTでは「入れてみてどうなるか。そういうことをやったときに、お客さんがどう動くかは見ていかなければならない」とどう活用するか検討しているとしている。

 一方、11月27〜28日の第8戦富士については、今季最終戦となるイベントだが、「我々としては関係者に抗原検査をやるのか、PCR検査をやるのか、導線をどう引っ張るのか等、今月までに決めていきたい」とした。

 第8戦富士に向けてはイベント等については「まだ決まっていない」としながらも、「自分たちがガイドラインとロードマップを作った以上、この2年間に蓄積されたものはモータースポーツ界でより大きなものになってきていて、自分たちが動いてきてしんどい思いもしてきたが、それを含めて自負している」と坂東代表。

 他のモータースポーツ業界も含め、「自分たちの義務と責任をクリアにしない限り、イベントとしてモータースポーツ業界を発展させたいならばきちんとしなければならない」と坂東代表は今後に向けて語った。

「コロナ禍がどこで収束するかは分からないが、落とし所がどこなのか、最終戦には次のステップにしていきたい。しかし、海外選手の来日やレースの開催など、権利を言う前に自分たちとして最低限の義務と責任を果たさないと。サッカー等の他のスポーツとも違う部分もあるし、自分たちで努力したものを積み上げないといけない」

 なお、第7戦もてぎで航空自衛隊松島基地F-2B戦闘機の歓迎フライトが決まっているが、坂東代表はまだ検討中の事柄としながらも、第8戦富士についてはしばしば行われている、エアレースパイロットの室屋義秀氏によるフライトが現在検討が進められていると明かした。

「空を飛ぶのはコロナ関係ないからね。まだ決まってないが、富士ではレクサスに協力してもらって、室屋義秀のフライトを考えている。できればあの下(セガサミーブリッジの下)をくぐってもらえれば。室屋はできると言っているんだけど(笑)」と坂東代表。

「粛々とコロナ対策については、我々のガイドラインに従いながら、きっちりと最終戦までやり切りたい」と坂東代表は改めて今季のコロナ対策について語った。

エアレースパイロットの室屋義秀氏

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