〈上越市長選〉立候補者 第一声 熱い思い訴え

 

上越市長選の幕が上がった24日、立候補を届け出た新人2氏が第一声で熱い思いを訴えた。現職の村山秀幸氏(73)が今期限りでの退任を示した中で、次の市政のかじ取り役にと名乗りを上げたのは、元市議の中川幹太氏(46)と、前副市長の野澤朗氏(64)。選挙戦に入る前から、2氏の一騎打ちとなる公算は大きく、これまでにも互いを意識しながら、公開討論会の場などで舌戦を展開。それぞれが掲げる政策公約、市政への思いなどを発信してきた。平成21年以来12年ぶりとなる新市長誕生へ、7日間の選挙戦の火ぶたが切られた。両候補の訴えは、ますます熱を帯びている。(届け出順)

地域が主役の自治 中川幹太氏

 中川氏は上越市西本町1の選挙事務所前で出陣式に臨み、集まった支持者らを前に第一声。自身に対する支援への感謝と、これまでの戦いの手応えを口にした上で、「皆さまと一緒に、全員でこの上越市をつくっていかなければならない。そのために、この選挙戦を勝ち抜かなければ」と力を込めた。

 報道陣の取材に対し、「私はとにかく業界団体に絡まない」とあらためて公言し、政策公約に掲げる「各地域が主役の自治」を強調。新型コロナウイルス感染症対応については、「乗り越えていかなければ、上越市の地域経済は活性化しない。全力を尽くす。選挙戦の中でも対策していきたい」とした。

 衆院選に立候補している立憲民主党の梅谷守氏とは「タッグを組み、共に頑張っていきたい」と、そろっての勝利へ意気込んだ。

 出陣式では、秋山三枝子選対本部長が「(中川氏の選挙戦は)皆さまの自発的な行動によるところが大きい」と支持者の協力に感謝し、「これからの1週間が最後の戦い」とあらためて協力を求めた。続いて、梅谷氏の選対本部長代行を務める近藤貞夫氏、中川氏と政策協定を結んだ元市長で現市議の宮越馨氏が激励の言葉を述べた。

 【略歴】昭和50年6月20日生まれ。兵庫県出身で、広島大工学部卒。平成11年から日本環境協会、同13年から同19年までNPO法人かみえちご山里ファン倶楽部事務局長、同20年から上越市議会議員を2期8年。大渕。

市民と未来へ歩み 野澤朗氏

 野澤氏は上越文化会館脇の広場で出陣式に臨んだ。多くの来賓あいさつに続いて初陣のマイクを握った。

 平成17年の14市町村合併を振り返り、その時の思い実現を決意の最初に挙げた。当時、市の担当課長を務めたことから、「13町村の皆さんの思い、夢や希望を心の中にお預かりした。16年間の仕事の中で実現したいと向かってきたが、状況変化により、かなえる場がなかった。ある意味で切なく、申し訳ない。市長にさせてくださいとお願いしている理由の一つが13町村の皆さんからお預かりした思いであることをお伝えしたい」と話した。

 10億円規模の新型コロナ対応の補正予算を示した他、「次の時代のまちづくりは少子化と人口減少に対応しなければならない」とし、「1人目から安心して育てるられるまち」などを掲げた。41年間の行政経験を基に「このまちの課題、解決策と未来像、そこにつながる道を市民にお示しし、対話と納得で未来へ歩みを進めていきたい」と訴えた。

 衆院選に立候補している自民党の高鳥修一氏らが応援に駆け付け演説。村山市長は「41年間、市の発展と市民のために取り組んできた野澤朗を選ぶべき」と強調し、「頑張れ」と同氏を激励した。

 【略歴】昭和32年6月14日生まれ。直江津高、新潟大教育学部卒。同55年に上越市に入庁し企画・地域振興部長、健康福祉部長、教育次長などを経て平成29年に教育長、昨年4月から今年5月まで副市長。南本町2。

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