家電再利用へ戸別回収 長崎市がリネットジャパンと協定

小型家電の回収やリサイクルに向けた協定をオンラインで交わす田上市長(左)と中村社長=長崎市役所

 長崎市は21日、小型家電に含まれるレアメタル(希少金属)などの再資源化に取り組むリネットジャパンリサイクル(愛知県)と、家庭の使用済みパソコンなどのリサイクル促進に向けた協定を結んだ。同社は不用家電を戸別回収する事業を展開しており、市は市民への広報で協力する。同社と自治体の協定は全国481例目、県内では初めて。
 パソコンや携帯電話、ゲーム機といった小型家電に含まれる金などの金属は、分別されずに埋め立てられるなどして有効に活用されていない。同社によると、機器のデータ処理方法などに不安を感じ、使わなくても家庭に保管したままの人は多いという。
 同社のシステムは、宅配業者が引き取り希望者の自宅に出向き、小型家電を回収する仕組み。回収品にパソコンが含まれていれば送料とリサイクル料は無料で、含まれない場合は1650円がかかる。希望すればデータ消去も可能。同社ホームページなどから回収の申し込みができる。
 21日はオンラインで協定締結式があり、田上富久市長は「地球温暖化対策や脱炭素化が前進する。市民にも再資源化に貢献できると呼び掛けたい」とあいさつ。同社の中村俊夫社長は「今回の連携が、県内の他市町にもこの回収の仕組みを活用してもらうきっかけになれば」と期待した。

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