いつか必ずこの手で渡したい! 巨人・大竹も欲しがった〝衝撃のクリーンヒット写真〟の思い出

報道陣に101杯のプレゼントを用意した大竹寛(東スポWeb)

【取材の裏側 現場ノート】約束は果たさなくては…。25日、プロ20年目の巨人・大竹寛投手(38)が東京ドーム内で引退会見に臨んだ。

ラーメン好きで知られた大竹らしく「102勝101敗」の通算成績にかけて「101杯」のカップラーメンを報道陣のために用意。ホッとした空気が充満し、ラーメンの山が並ぶ異例の会見となった。

冗談ではなく、ラーメンなくして語れない珍しい投手だった。巨人移籍1年目の2014年、大竹は9勝6敗ながら、防御率3・98とFA戦士としては不本意な成績に終わった。首脳陣からは原因として体重管理のまずさを指摘され、無期限の〝ラーメン禁止〟が言い渡された。

引退会見では「実は現役時代もけっこう食べていた」と話して笑いを誘ったが、そのオフは自制したのだと思う。食事制限と走り込みで5キロ以上絞って、見違えるボディーラインでキャンプイン。ところが3月のオープン戦で異変が表れた。体重を落とした結果、球威と球速が大幅に落ちて打ち込まれてしまったのだ。

これに気付いた首脳陣は、ただちに大竹の〝ラー禁〟を解除。ウソのような、本当の話だ。

大竹といえば、もう一つ思い出したことがある。2016年6月のある練習日、カメラマンがジャイアンツ球場で〝衝撃の瞬間〟を捉えた。投手陣がノックを受けていた際のこと、大竹は何でもないゴロの捕球に失敗。球が股間をクリーンヒットした瞬間が、かつてないほどパーフェクトに激写されていたのだ。

後日、写真が掲載された記事を見た大竹は、記者の顔を見つけるなり「すごい瞬間を抑えてましたねえ」。もちろん不満ではあっただろうが、苦笑いで済ませてくれるのが愛されキャラのゆえんだ。「責任を取って、あの写真ちゃんとくださいよ。飾りますから」と言われていたのだった。

問題の衝撃写真はその後にプリントしたものの、手渡せずまだ記者の手元にある。巨人担当を離れてごぶさたしてしまっているが、この約束はいつか果たしたい。まずは現役生活、お疲れさまでした。

(デジタル事業室・堀江祥天)

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