軽石漂着、沖縄県が緊急対策チーム設置 早急な除去へ国と調整

 小笠原諸島の海底火山噴火の影響とみられる大量の軽石が県内の海岸や港湾に漂着している問題で、沖縄県は26日、環境部を中心に部局横断的に対応に当たる緊急対策チームを設置すると発表した。
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  最も被害が深刻な国頭村の辺土名漁港では25日、いけすで畜養しているグルクマ150匹以上が石をのみ込んで死ぬ被害が確認されたほか、各地のビーチにも軽石が漂着し、景観悪化やマリンレジャーの予約キャンセルが出るなど経済面にも影響が生じている。
  この問題が複数の部署にまたがることから、玉城デニー知事は26日午前、関係各部の担当者を集めて会議を開き、庁内に対策チームを設置するよう指示した。 対策チームには、環境部環境整備課を中心に、土木建築部や農林水産部などの担当者が加わる。
 県は、漁船など「船舶の航行の支障となる漁港内に漂流する軽石について、災害復旧事業による早急な除去が行えるよう国と調整するほか、災害復旧事業の対象とならない海岸に漂着したものについては、海岸漂着物等回収事業による回収・処理ができるよう検討する。また、回収した軽石の処分方法については関係機関で検討する方針。
 県漁業協同組合連合会(県漁連)の聞き取り調査によると26日までに、県内に37ある漁業協同組合のうち少なくとも19漁協が、管轄する港湾内に軽石が漂着する被害が出ていると回答した。
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