真鶴町長、出処進退で二転三転 町議ら批判「けじめ付けて」

松本町長(右)とともに謝罪した尾森選挙管理委員会書記長=26日、真鶴地域情報センター

 真鶴町で選挙人名簿抄本のコピーが流出していた問題。松本一彦町長が26日午後に開いた緊急会見は約2時間に及び、時折涙ぐみながら謝罪を繰り返したものの、自らの出処進退については二転三転した。会見中には続投に意欲を見せたが、報道陣の批判に耐えきれず、会見終了後に「自分はこの場にとどまるべきではない」と辞職の意向を示した。

 松本町長は午前中に町議や職員を集めて経緯を説明し「町長職を辞して対応する」と謝罪。しかし、その後に「多くの町民から連絡をいただいた。このまま辞めてしまったら、その方々を裏切ることになる」と会見では一転して続投を表明した。結果的には腹をくくって辞職を決断した。

 「町長が関与していたというのだからびっくりした」。同日午前に松本町長から辞職の意向を聞いたという町議会の岩本克美議長は、驚きを隠せない様子で「なぜ会見途中で覆ったのか。本人も動揺していたのだろうが、きっちりけじめを付けてもらう必要がある」と厳しく批判した。他の町議からは「辞職は潔い決断だが、町民への十分な説明がない中で辞めるのは逃げると同様ではないか」との受け止めもあったという。

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